「福岡から先の乗り継ぎはございますか」
「はあ……」
「羽田ですか……」
スタッフは淡々と手続きを進める。心のなかでは、「こうやって時間を無駄にしてマイルを貯めているのね」と思っているのかもしれないが、スタッフはそんな表情をおくびにも見せない。首筋を冷たい風が吹いていく。笑いながら、「マイルを貯めているんですね」といわれれば、心が軽くなるような気がしたが。
サラリーマンたちはこんなことをやっているのか……。
福岡ではターミナル内でうどんを食べて東京に戻った。
少し疲れた。
後日、マイルが加算された。通常のバンコク―成田往復より、2300マイルほど多い。たしかにこれは大きい。こうして深みにはまっていく。たしかに修行である。