3、4歳くらいの子どもは、純粋な上に想像力が豊かなので、きっと何事も「本当のこと」と思うことができるのでしょう。事実、息子は鬼も信じていますし、魔法使いも信じています。ピザーラの配達のお兄さんがサンタの格好をしてきたときも、「やった~。サンタさんが来た!」と大喜びしていました。後日、「悪い子だとサンタさん来ないよ」と言うと、「もう来たよ。この前ピザくれたよ!」と言われ、まさかあれを本物だと思っていたとは知らず、もうプレゼントはピザでいいか!? と悩んだほどです。
そういうわけで、私は「子どもは胎内記憶をもっている」という話は信じていません。ただ、カンタくんのようなことを子どもが話してくれたら、親としてそれはとても嬉しいことで、そこは信じてはいませんが別腹、という感じです。
そんなわけで4歳近くなった今、またおなかの中にいたときのことを聞いてみました。すると、「ママはまことくん臭い臭いって言ってた」という返事が。誰が何を言ってそうなったのか分かりませんが、彼の中には謎のまがいものの記憶が強く刷り込まれ、確立されているようです。
(文/杉山奈津子)
すぎやま・なつこ/1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など