このように、首や肩のこりと頭痛、目の疲れは、それぞれに関係し合っています。そのため、どれかひとつの症状があると、ほかの症状が起こりやすくなったり、悪化しやすくなったりすることが考えられます。

 たとえば、パソコンを使った作業を長時間続けると、肩がこりやすくなると同時に目の疲れも生じ、それがひどい頭痛につながることもあります。できるだけ、長時間同じ姿勢でいることは避け、こまめに休憩をとってストレッチをしたり、目を休ませたりすることが大切です。

■Q:市販のマッサージ機は肩こりの解消になる?
A:強い症状の場合、マッサージ機では限界があります

 首や肩のこりは、筋肉の過度な緊張によって起こります。こりを解消するためには筋肉の緊張をほぐすことが必要で、そのためには入浴やマッサージ、湿布など、いくつかの有効な方法があります。市販のマッサージ機も、筋肉の緊張をやわらげる作用があります。

 しかし、こりが非常に強い場合は、機械では対応しきれないこともあるでしょう。マッサージ機を使っても楽にならない場合は、整形外科を受診し、治療を受けることをおすすめします。

■Q:はり・きゅうは痛みや肩こりに効果がある?
A:効果がありますが、医学的なメカニズムはわかっていません

 はりやお灸きゅうによって神経に刺激を与えることで、筋肉の収縮を抑えたり、血管を広げたりして、こりや痛みが改善されると考えられますが、医学的には解明されていないことも多いのが現状です。

 近年、はり・きゅうについての研究が進んでいますが、整形外科領域ではまだ発展途上です。痛みやこりへの効果はあると考えられますが、施術者の手技に頼るところが大きく、誰もが同等に優れた施術ができるとは限らないことを理解しておく必要があります。

監修/冨士武史医師(JCHO大阪病院副院長)、柳本 繁医師(東京都済生会中央病院 整形外科部長)

(文/出村真理子)

※週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」から一部抜粋

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