自覚症状のある病気やけがのうち、男女ともにトップ1、2に入る「肩こり」。でも意外と知らないことばかり?(※写真はイメージ)
自覚症状のある病気やけがのうち、男女ともにトップ1、2に入る「肩こり」。でも意外と知らないことばかり?(※写真はイメージ)

 2016年の「国民生活基礎調査」で、自覚症状のある病気やけがのうち、男女ともにトップ1、2に入るのが肩こりです。発売中の週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」では、肩こりについて病院では聞きづらいことを整形外科の専門医に聞きました。JCHO大阪病院副院長の冨士武史医師と、東京都済生会中央病院整形外科部長の柳本繁医師がズバリお答えします。

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■Q:子どもは肩がこらないの?
A:現代の子どもは筋肉を使うことが減り、肩こりが起こります

 昔は、肩こりは大人特有のものと考えられていました。それは、「子ども=元気に動き回るもの」だったからです。学校では休み時間のたびに校庭で走り回り、放課後は公園で跳び回る。そういう生活なら肩はこらないでしょう。

 しかし今は、遊ぶときは室内でゲーム、放課後は塾で勉強と、からだを動かす習慣のない子どもも多く、運動不足による体力や筋力の低下が問題視されています。子どもでも肩こりになることはあると考えられるでしょう。

■Q:肩こりで整形外科にかかっていいの?
A:受診してよいです。重大な病気の可能性も

 肩こりは、姿勢の悪さや目の疲れ、血行不良、骨や椎間板の老化、ストレスなど多くの原因で起こります。なかには高血圧や心臓病、がんなど病気が原因で起こることもあるため、「たかが肩こり」と軽視することはできません。

 早めに受診して肩こりの原因を探し、治療をすることが大切です。一般的な肩こりは、生活習慣の改善や適度な運動で軽減することが可能です。整形外科では、日常生活や運動のアドバイスもおこなっているので、相談しましょう。

■Q:筋肉がある人は肩がこらない?
A:筋肉がない人はこりやすく、あっても動かさないとこります

 重い頭を支えるためには、首周辺の筋力が強いほうが有利です。筋力が弱いと、首の骨と椎間板を安定した形で保つことが難しいため、筋肉の緊張が強くなって肩こりが起こりやすくなります。

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