慶子さん:困っているってほどではないんですけど、たまに意見が通りにくいな、って思うことがあって。真っ向から否定されるわけじゃないんですけど、どうも味方についてくれる人が少ないっていうか。私、頑固だと思われているみたいで。
しぎはら:そうね~。正直にいうと、ヒアリングシートを見て“頑固なのかもしれない”って、ちょっと思ったわ(笑)。第一印象もそうだった。確かに他人を受け入れなさそうなオーラがあったわ。
慶子さん:やっぱり……、そうなんですね。同期の男性に「君、後輩から怖がられているよ」って言われたこともあって、ショックでした。
しぎはら:とっつき難いというのはコミュニケーションの機会を失う原因にもなるから、無駄に損をしている面はあるかもしれないわね。ところで慶子さんって、交際している男性はいるの?
慶子さん:……それが、いないんです。もうかれこれ10年間彼氏がいません。(ため息をつきながら)本当は結婚したいんですけど……。
■自分の母親みたいに、普通に結婚・出産できると思っていた
しぎはら:結婚願望があるってことは、彼氏を見つける努力はしているの?
慶子さん:いえ、特に。恋愛も外見より中身重視だと思っていたので、いつか本当の私を好きになってくれる人が現れたらいいな~、なんて漠然と思ってて。
しぎはら:それで気づけば彼氏いない歴10年、ってことね。確かに外見よりも中身を重視してほしいっていう気持ちはわかる。でもそれで10年彼氏がいないっていうのは、やっぱり戦略が間違ってるんじゃないかしら。だって、第一印象がとっつき難いって、声もかけられづらいし、その先に進めないってことじゃない?
慶子さん:そうですよね、やっぱり私、ものすごく損してるのかもしれないですね。自分の母親が“黙って人の3倍働く”という信条を貫きつつも、結婚・出産は普通にしていたから、自分も自然にできると思ってたんです。30歳くらいでお母さんになってるんだと漠然と考えてた。でも、そんな生活とは程遠くて。
しぎはら:あなたとお母様とでは時代が違うというのもあるわ。昔は結婚するのが当たり前、みたいな風潮があったから。でも今はもっと自由じゃない? だから、仕事をバリバリこなして独身を貫くのだって普通だし、全然悪いことじゃない。慶子さんはきっとそういうふうに見られているから、結婚願望があるのなら表に出していかないと人に気づいてもらえないのよ。
慶子さん:実は……本音を言うと、それをどうにかしたいんです。最近、このまま男性化していくばかりでいいのか、って思っていたところに知人の激変ぶりを見て。それで自分も、もう少し洋服を変えてみたほうがいいんじゃないかって心が揺れ動いたんです。ヒアリングシートにはスーツが欲しいと書きましたけど、それは自分が何を買うべきかわからなかったからとりあえず書いた、という感じで……。とにかく変われるように、アドバイスしていただけませんでしょうか。
しぎはら:なるほど! 慶子さんの思い、よくわかったわ。私に任せて。
■慶子さんが本当になりたかった女性像
私は慶子さんが心のなかを素直に明かしてくれたことを嬉しく思いました。こういう女性を救うことこそが私の使命。ここからは慶子さんに、なりたいイメージを具体的に聞くことにします。メイクとスタイリングに入る前に、いつものように理想の女性像を聞いてみました。
しぎはら:「怖い」「頑固」なイメージを払拭したいのは、ヒアリングシートからもかすかに窺えるわね。天海祐希さんと滝川クリステルさんに、坂下千里子さんという全くキャラクターの違う女性が並んでるじゃない?