「このチャコールグレーのワンピース、フレアスカートのラインがとてもきれいに出るの。どうかしら?」と勧めると慶子さんは、
「えーと、ワンピースって結婚式以外で着ることないんです。それに、このワンピースの形はちょっと私にはかわいすぎる気が……」
と、ちょっと困惑の言葉を口にしつつ、試着室へと入っていきました。
そして3分後、やはり、はにかんだ笑顔を浮かべながら出てきてくれました。
慶子さん:ワンピースって着るだけで格段に女らしく見えますね。思いのほか、しっくりしています。チャコールグレーの色が上品だし、だから余計にフレアのラインがきれいに見えます。
しぎはら:慶子さんの知的な雰囲気にぴったり。身体のラインもきれいに見えるわ。それに、ヘアメイクを変えたことでぐっと優しい印象になったから、かわいい雰囲気の洋服も違和感なく、マッチしているのよ。
そして私は、このワンピースに同じく「ef-de」の赤いカーディガンを合わせてもらいました。すっきりした襟元に対して、袖山にギャザーが入っていたりボタンがビジューになっていたりと、細かいディテールが効いた女性らしい一枚です。
慶子さん:すごい、まるでワンピースとセットみたい! 私、赤なんて着たことありませんでした。でも、この赤のカーディガンは本当に上品に見えます。繊細な装飾がちりばめられているところも、かわいいですし。こういうところまで見て選ばれたものだと、手放せなくなりますね。
しぎはら:そうなのよ。同じブランドだから相性がいいというのも、もちろんあるけど、大事なのは身体に合った形やサイズをきちんと試着して、鏡であらゆる方向からチェックすることなの。横からや後ろ姿もきちんと見てみて。肩の位置も合っているしウエストのラインもきれいに出てる。見たところ、サイズ感はバッチリね。こんなかわいい慶子さんを今まで眠らせていたなんて、もったいないことしてたわね(笑)。
慶子さんはまさに運命のスタイリングに出会えたように感動し、そして本人から驚くべき一言が飛び出しました。
慶子さん:しぎはらさん、私この服に合うアクセサリーが欲しいです。選びたいので見ていただけますか?
しぎはら:ええ、もちろん。
私はびっくりしました。慶子さんは気づかなかった自分の中のかわいさを引き出したことで、あっという間にエンジンがかかったのです。即座に実践に移せる行動力は、さすがビジネスで培った器量の良さと言えるでしょう。
私たちは一緒に、「SWAROVSKI」のアクセサリー売り場に向かい、そこでシルバー色台にペアシェイプのクリスタルが施された繊細なピアスに、同じスワロのネックレスを選びました。髪を上げた慶子さんの耳元に、透明な光がかわいらしく揺れ、首元の輝きが、より顔を明るく照らして、表情を豊かに見せてくれます。
慶子さんは女性らしさを演出してくれる繊細なアクセサリーを選びました。今までの「無難な仕事服」ではなく、「女性らしくかわいらしく」ありたいという気持ちで、初めて自分で選んだアクセサリーです。彼女は、“この服を魅力的に着るために一番引き立ててくれるアクセサリーはどんなものだろう”と、戦略脳で考え始めていました。
しぎはら:デートはもちろん、会社にも着ていけるようなブラウスとスカートの組み合わせも、選んでおきましょうか。顔まわりが明るくなるようなパステルカラーのブラウスがあるといいと思うわ。