慶子さん:知的でしっかりした女性でありたいと思ってきたんです。でも坂下千里子さんがテレビで、すごくかわいいのにくだけた雰囲気でトークしているのを見て、こういう人、親近感が持てていいな、とふと思ったことがあったんです。男性の前でなりたい女性像って考えると、やっぱり雰囲気はちょっと変わってくるかもしれません。
……ちょっと恥ずかしいのですが、正直に言えば、石原さとみさんのような、可憐な感じで清純な雰囲気にも憧れますね。あとは仲間由紀恵さんのような、しぐさ美人……。
しぎはら:自分の心の声をきちんと認めるのは、本当に大切なことよ。そしてまず大前提として、人間がきれいなものに惹かれるのは当たり前のことなの。かわいくしたり女らしくしたりするのはズルいことじゃないし、私は女性の人生において必要な戦略のひとつだと考えているわ。それに私のスタイリングは単に男性に媚びるものではなくて、その人の持っている個性からキレイを引き出すこと。だから安心して任せて! 慶子さんの理知的な雰囲気は活かしたほうがいいわ。でも、慶子さんの気にされている頑固なイメージは払拭したほうがいいから、方向性は上品さを備えつつ親しみやすいかわいさを持つ女性、という感じでいきましょう。もちろん、近いうちに慶子さんが男性を紹介してもらったり、デートをしたりするときのことを想定した一着よ! 本気で結婚を考えているなら、具体的に“出会い”もイメージしなくちゃね。
慶子さん:そんな素敵な女性、私がなれるのかな? ……でも、やっぱり私、少しでも変わりたいんです。だから、よろしくお願いします!
■キレイを引き出すメイクとスタイリング
今回のメイクは内側からの理知的な上品さ、美しさがにじみ出るようにしていきたいというコンセプトで、べースメイクは薄めにしました。清潔感があって血色のよい肌は上品な雰囲気を出してくれます。
ナチュラルメイクをベースに、ポイントメイクは口紅だけぐっと鮮やかなローズピンクに。眉下にハイライトを入れるだけで、他に特別な色は使いません。これは、2パターンの明るい色のお洋服を選ぶのが前提でしたので、どちらに合わせても馴染むようにと考えたからです。このローズピンクの口紅で、まさに石原さとみさんのような華やかなかわいらしさが生まれます。
慶子さんのヘアスタイルは、前髪のある黒髪のセミロングでした。清楚な印象はありますが、至極無難な感じ。それに少し重たくも見えました。そこで前髪を上げる提案をしました。おでこを出す提案をしたのは、しっかりと凜々しい眉をもつ慶子さんの顔立ちがよりはっきりして、明るい印象が何割増しにもなるからです。慶子さんにはちょっと抵抗感があるようでしたが、トライしてみることを納得してくれました。
デパートのパウダールームに行って、私は慶子さんのセンターパートで分けた前髪を左右で軽くねじり、おでこを出すようにして両側で留めてみました。すると、
「わ!! こんな自分見たことない」と感嘆の声。
思った通り、表情がはっきりして、見違えるほど明るい印象になったのです。
華やかなローズ色の口紅を引き、前髪を上げたヘアスタイルにしただけで、慶子さんはまるで別人のようにぱっと明るい印象になりました。まだ洋服を何も着替えていないのに、です。
■“これは大変身するはず!”
私は限りない可能性を感じて、だんだんウキウキしてきました。そして慶子さんもメイクとヘアスタイルで格段に変わりつつある自分を見て、すでに興奮を抑えられないといった様子でした。
そこで私は1着目に、「ef-de」のフレアワンピースを用意しました。つかず離れずの女性らしいシルエットで、付属のベルトがきれいにウエストマークしてくれます。