もうすぐ夏休み。子どもは学校から解放されて自由な時間が一気に増えて、良いことも悪いこともいろいろな経験をすることだろう。親としては悪いことをしたら注意をしたり、叱ったりしなければならない、と考えるかもしれない。しかし、叱ることよりも効果的な対応について、世界大学ランキング1位の英国オックスフォード大学で日本人初の教育学博士をとった『オックスフォード式 超一流の育て方』(朝日新聞出版)の著者・岡田昭人教授に聞いた。
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「コップを倒してジュースをこぼしてしまった」
「不意に友達をたたいて泣かせてしまった」
子どもがそんなことをしでかしても、素直に反省して謝ってくれれば親は困らずに済むのですが、「自分は悪くないもん!」というふうに、子どもはそういうわけにはいきません。
子どもの特徴として、自分の失敗や過ちを他人や出来事のせいにすることがあります。自分が悪くてもそうでなくても、言い訳することはよくあります。
なぜ、子どもは言い訳をするのでしょうか。
児童心理学の見地によれば、子どもが反省をしたくない気持ちの根底には「愛情」が関係していると言われています。「親に愛されたい」「周りの人たちに嫌われたくない」という心理が働くので、責任を回避するために言い訳をするのです。
まず親はできるだけ優しく「言い訳をしないで、きちんと反省しましょう」と伝えてください。子どもに愛情が分かるような言葉や態度を示しながら、子どもが反省しやすい状況を作るのです。
ですが、子どもにいくら注意しても、なかなか素直に聞いてくれないものです。何度も何度も同じことで注意されるようなら、次の手段を考えなければなりません。
■一人にする時間は「子どもの年齢×1分」が目安
児童心理学を専攻している私のアメリカ人研究者仲間から育児における「タイムアウト」について話を聞いたことがあります。
ここでいう「タイムアウト」は「小休止」の意味で、「数分間子どもを一人にして反省させる」というとてもシンプルな方法です。