だが、このままズルズルと行かないのが2006年以降の11年間で5度のリーグ優勝を果たしている強さの所以だ。6連敗で迎えた12日のソフトバンク戦で連敗を止めると、翌13日も勝利して今季初の連勝。その中で目立ったのが若手たちの活躍で、ドラフト2位ルーキーの石井一成が「二塁手」として攻守に存在感を見せると、高卒5年目の22歳・森本龍弥が13日のソフトバンク戦で中田に代わる「一塁手」としてプロ初スタメンで勝利に繋がるプロ初安打をマーク。そして高卒3年目の20歳・清水優心は、WBC参加から極度の打撃不振に陥っている大野奨太に代わってスタメンマスクをかぶり、プロ初打点をマークするなどチームを今季初の連勝に導いた。

 故障者続出の中では、今後も“代役”の若手たちが“代役”に収まらない活躍を見せることがどうしても必要になる。その上で、チーム本来の“守りの野球”を取り戻すことも大切。開幕3連戦で5失策を犯し、ここまでの計8失策はリーグワースト。まずは無駄なエラーをなくすことがペナントレースの流れを掴むためには不可欠になるだろう。

 ソフトバンクや巨人が3軍制を敷いてチーム強化に励む一方で、日本ハムは育成契約選手を作らずに少数精鋭を徹底してきた。今後、今回の野戦病院化がチーム崩壊をもたらすのか、それとも若手の成長へと繋がるのか。栗山英樹監督の担力、王者の底力が問われている。

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