昨季王者が大きくつまずいた。開幕2週間が経過した時点で、連覇を狙う日本ハムが開幕12試合で4勝8敗の借金4。ソフトバンクとの“2強争い”が予想されていた中で最下位スタートとなった。
低迷の最たる原因は故障者。その続出ぶりが尋常でなく、開幕前に淺間大基が腰痛、飯山裕志が左太もも裏の筋挫傷、大田泰示が左腹斜筋筋挫傷、さらに谷口雄也が右ひざの前十字靭帯損傷で手術を受けて今季絶望。ここまでは他球団にもよくあることでまだ対応ができたが、開幕後の4月8日の試合で大谷翔平が左太もも裏の肉離れで「ゲーム復帰まで4週間程度を要す見込み」と診断されてから“負の連鎖”がスタート。翌9日の試合では中田翔が右足付け根に痛みを訴え、レアードは左腕に死球を受けてともに途中交代。レアードは翌11日のスタメンに名を連ねたが、中田は右内転筋筋挫傷と診断されて欠場(13日に1軍登録抹消)を強いられた。
さらに呪いは続き、守護神のマーティンが11日に右肘の張りで登録を抹消されると、左腹斜筋の筋挫傷から8日に1軍復帰したばかりの“元気印”杉谷拳士が、12日に左ふくらはぎを痛めて2試合に出場したのみで再離脱し、ゲーム復帰まで2週間程度を要す見込み。何かに取り憑かれているとしか思えないように故障者が増え、大谷に至っては離脱後にインフルエンザB型を発症する泣きっ面に蜂の状態だ。
インフルエンザはともかく、怪我の理由を問うのは一概には難しい。大谷はWBC辞退の原因となった右足首をかばってプレーした影響が少なからず肉体バランスに異変をもたらしたことが考えられ、中田にはWBC参戦のために急ピッチで仕上げた開幕前の調整、そして実際の肉体的疲労があっただろう。その他、開幕から黒星が先行する中で、「自分がやらなければ」という意識、責任感が、今回は“焦り”へと繋がり、無理なプレー、急ピッチの調整がケガに繋がるというマイナス方向に働いてしまった面があるだろう。