もちろん、それだけではない。大学がたいへんな努力をした成果でもある。
1998(平成10)年、リバティタワーが完成。地下1階から16階までが文系学部生用フロア、19階から22階が教室、研究所、事務室だけでなく、食堂、体育館、図書館などを併せ持つ複合施設となっている。
リバティタワーの内装はピカピカだ。とくに女子学生を意識したアメニティーを整備。なかでもトイレには力を入れている。個室トイレは1階に約30個、そのほか各階に約6個が備わっている。他大学が平均3~4個なのに比べると多さが際立つ。洗面台数がたくさんあるので混雑せず、パウダールーム(化粧室)まで備えられている。
もちろん、教育にも力を入れている。大教室から小教室でのゼミナール方式の授業が増えた。インターンシップにも力を入れている。留学制度も充実しており、海外留学は女子のほうが多いといわれている。
こうした教育環境、教育内容は高校の後輩に伝えられていく。すると、必然的に優秀な女子学生が集まってくる。そうなれば授業に活気が出る。就職実績にもつながっていく。女子が増えてからというもの、省庁や自治体、1部上場企業で活躍する明治OGがぐっと増えた。司法試験、公認会計士など資格試験合格者にも女子がたくさんいる。
施設が良くて、教育内容や就職支援がしっかりしているので、実学志向が強く現役にこだわる女子受験生には、明治大は魅力的に映る。このままいけば2010年代 の終わりには女子比率は4割を軽く超え、ますます女子の活躍が目立っていくだろう。
女子が元気なキャンパスが活気づく。楽しみである。(教育ジャーナリスト・小林哲夫)