調和道丹田呼吸法の基本動作は次のようなものです。前傾した状態から、上半身を起こしたあと、伸び上がるように息を吸い、次いでみずおちをゆるめて骨盤に向けて体を落とし、上半身を前傾させて息を吐き切る。この動作を「起こす」「伸ばす」「落とす」「曲げる」の掛け声のもとで繰り返す。
この基本動作を、右手をみずおちに、左手を下腹に当てて、連動させて滑らかにやるものを「小波浪息(しょうはろうそく)」といいます。
このほか、下腹部の前で手を組み、それを左右に振りながら、その逆方向に下腹部を移動させて呼吸する「大振息(だいしんそく)」というものもあります。
いずれにしろ、誰でもできるものです。是非、皆さんもお試しを。
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中
※週刊朝日 2023年2月17日号