「育児を熱心に行う生物として、ペンギンに代表される鳥類は断トツ。鳥類の9割は一夫一妻制で、妊娠産卵するのはメスですが、子を育てる巣を作る『営巣』はオスの仕事。卵を温めて孵(かえ)す『抱卵』や孵化(ふか)した後のえさ運びはオス・メスの差なく同等に行います」

 鳥類のパパ、恐るべしっ!

「鳥類のヒナは、生後しばらくの間は目も見えず、羽根も生えていないので飛べません。そんなヒナを外敵から守り、えさを与えるのはメス1羽ではムリ。だからオスががんばるわけです。あ、でも中には例外も。たとえばクジャクのオスは、一切子育てしません。不思議ですね」

■哺乳類の子育ては母親主体

 卵を産む鳥類は、大昔の恐竜に最も近いと聞いたことがござる。とすると、恐竜のオスも子育てに熱心だったのですかな。

「恐竜のオスの中にも卵を抱いて温めたやつがいたのではないでしょうか。そういうオスはえさ運びもメスと共同で行っていたはずです」

 ふうむ。我ら人間のオスは子育ての点では恐竜ほども進化しておらぬのか。だとすれば、絶滅はすぐそこやもしれぬ(絶望)。

「そこまで凹まなくても(笑い)。私たち哺乳類は文字通り、母親が乳を与えて子を育てる動物。卵を産み、えさを与える鳥類や恐竜以上に、子育てが母親主体になるのは当然です」

 な、なるほどのう。

■ママ友とのおしゃべりは本能!?

「たとえばDNAレベルの違いが1.23%しかなく、最もヒトに近いチンパンジー。そのオスは、子育てには完全ノータッチ。チンパンジーのメスは誰の手も借りずにひとりで育児をします。一方で、メス同士の絆が強く、共同で育児をするのはヒトの特徴です。哺乳類の中では他にあまり例がありません。とくに祖母が孫の子育てを手伝うのはヒトだけ。奥様がママ友と頻繁に会ってしゃべったり、子育てを助け合ったりするのは本能なのです」

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