コロナショックの影響で全国の動物園が休園している。一番人気のジャイアントパンダに会えない「パンダロス」が長引く。ツイッターやユーチューブなどでパンダの様子を伝えるところも出てきた。暗くなりがちな今こそ、パンダで癒やされませんか。
「久々に会えてうれしかった」
「毎月の楽しみが彩ちゃんに会えること。ライブ配信でかなえられた」
「また会いに行ける日を楽しみに頑張ります」
こんなコメントが寄せられたのが、ユーチューブで3月18日に約1時間ライブ配信されたパンダ「彩浜(さいひん)」の動画だ。
和歌山県白浜町にあるテーマパークのアドベンチャーワールドは、新型コロナウイルスの感染防止のため、2月29日から3月22日まで休園していた。
休園中もパンダを見てもらおうと、仮想現実(VR)システムに対応した動画を用意。目の前にいるかのように楽しめるようにした。3月18日から毎日1回、午前11時から配信している。終了日は未定で、パンダの体調などにより配信できない場合もある。
写真共有アプリ「インスタグラム」でも、「ジャイアントパンダレクチャー 彩浜」という約12分の動画を3月16日から配信している。パンダの帽子を被った飼育スタッフが、竹やリンゴを食べる彩浜の元気な姿を披露。「現在の体重は56kg」「ミルクを1日3回飲んでいます」といった説明をしていた。
彩浜がプレゼントされたハート形の氷を割ってしまうハプニングもあり、臨場感にあふれている。ちなみにパンダはもともと寒いところで暮らしているので、氷は好物だ。
ライブ配信された時には、視聴者による「いいね!」のハートマークや、スタッフへの感謝のコメントがあふれた。再生回数は3月24日時点で2万6千回を超えている。
アドベンチャーワールドには、オスの永明(えいめい、27歳)とメスの良浜(らうひん、19歳)、娘の桜浜(おうひん、5歳)、桃浜(とうひん、5歳)、結浜(ゆいひん、3歳)、彩浜(さいひん、1歳)の6頭がいる。
その集客力は高く、全国からファンが集まる。“パンダジャーナリスト”の筆者も東京在住ながら、年間パスポートを購入している。
白浜町(人口約2万1千人)によると、2019年に町を訪れた観光客は約350万人に上る。一大観光スポットのアドベンチャーワールドは町の活性化にも貢献しているのだ。
コロナショックは観光産業に大打撃となった。ホテル・旅館の予約は減少し、南紀白浜空港と羽田空港との定期便も減便。「白浜の街は火が消えたようだった」(白浜町民)という。
アドベンチャーワールドは3月23日から営業を再開したが、利用できる施設は制限されている。桜浜、桃浜、彩浜の3姉妹がいるパンダ舎は、屋外の運動場だけ見られるようになっている。