「動き」「呼吸と姿勢」「リズム」ラジオ体操はただしく行うことで、最大限の効果を引き出せる
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「自己流、無意識、なんとなく」だともったいない
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「STAY HOME」

【実は8割が自己流!?もったいない理由とは】

 新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす人が増えている。運動不足を感じたり、気持ちがふさぎこんだりする人も多いのではないだろうか。通勤時間が体を動かす唯一の時間だったという人もいるだろう。

 もともと現代人は1日の60%を座って過ごすと言われていて、なかでも日本人は座り時間が世界トップクラスというデータもある。

 外出自粛生活が続けば、運動不足はもちろん、自律神経が乱れたり、ストレスがたまったりして、健康に悪影響を及ぼしてしまう。

 そんななか、注目されるのが「自宅で行うラジオ体操」だ。

 ラジオ体操が生まれて90年。ここまで長く引き継がれる理由は、効果があるからに他ならない。ラジオ体操にはこんなメリットがある。

・体操時間はたった3分間
・400の筋肉を効率的に刺激する
・筋肉がほぐれて血行がよくなる
・骨が強くなる

 など、大変優れた体操なのだ。

 最新の調査から見えてきたラジオ体操の効果、そしてその効果を最大限に発揮するための正しい体操の仕方を、書籍『最高のラジオ体操』(全国ラジオ体操連盟理事長 青山敏彦著 DVD付)から再構成する。

■考えぬかれた無駄のない「本物の体操」

 人の体には多くの筋肉がついていて、立つ、歩くなどの運動や姿勢に関係している。このうち自分の意思で動かせる筋肉を随意筋(ずいいきん)と呼び、ラジオ体操を行うと約400の随意筋を動かせる。

 運動不足になると、日常生活で使われる筋肉だけに頼った動きが中心になり、使わない筋肉や関節が固まってしまい、痛みや不調を誘発させる「固癖(こへき)」が生じてしまう。本来なら動くはずの部分が動かなくなるので、とうぜん体も動かしにくくなり、これが老化による筋力低下に拍車をかけ、私たちの衰えを加速させるのだ。

 ずっと自宅で過ごしていると、もちろんこの衰えは加速してしまう。

 ラジオ体操には13種類の運動がある。腕を大きく振ったり内ももを引き締めたりといった、「ちょっと変わった動作」で構成されているのが特徴である。これは日常生活では使われにくい筋肉や関節を意図的に刺激していて、固癖を解消するエクササイズとして設計されている。

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