オコエの場合、楽天入団直後から度肝を抜くような発言も多かった。
「遅くてもFA権取得までには、メジャーに行けるような選手になりたい」
ドラフト指名時から壮大な未来予想図を公の場所で語っていた。そして入団時の背番号「9」(今年からは背番号「4」)は、トリプルスリーを意識しており、自ら希望したというのも有名な話だ。
その後も年俸を超える高級車を購入したと思えば、キャンプ前の1月にガールフレンドとのハワイ旅行が発覚したりと、何かとグラウンド外での話題も多い。17年オフに参加したメキシコ・ウインターリーグでは「(自分の想定と)違っていたので、日本でしっかり練習したい」と予定を繰り上げて帰国したこともあった。
毎年のようにキャンプ、オープン戦では好調だが、シーズンに入ると活躍できなくなる。プロ5年目の23歳は大卒ルーキーと同じ立ち位置。言い訳できない時期に入ってきてしまったのは間違いない。
忘れてはならない男がもう1人、日本ハム・斎藤佑樹だ。
高校時代、夏の甲子園で田中将大(現ヤンキース)擁する駒大苫小牧と引き分け再試合を演じた時は『ハンカチ王子』として社会現象を巻き起こした。そんな斎藤も今年で32歳。毎年のように「戦力外か?」と騒がれるようになったが、10年目のシーズンを迎えることができた。
斎藤の場合も、発する言葉で何かと話題を提供してくれる。
国民的スターとして高校卒業を迎えた時の発言はかわいいものであった。しかし大学入学あたりから発言は過激さを増して行く。
「自分が調子が悪くても抑えられる大学野球のレベルに萎えたのは事実」
早稲田大時代の実績から考えれば、自然に出た言葉なのだろう。
また「早稲田という最高のブランドを背負ってやっていきたい」と後に発したのをみても、強烈なプライドを持っていたのがわかる。
プロ入り後も強気のトーンはまったく変わらない。
「いまは『持ってる人』ではなくて、背負ってます」
「20年で200勝したい」
「50歳まで現役でやりたい」
甲子園優勝や大学日本一を達成した時代ならともかく、プロではまったく実績を残せていない。多くの“強気発言”が悲しく感じてしまうほどだ。