落合博満氏(C)朝日新聞社
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阪神の矢野燿大監督=代表撮影(C)朝日新聞社
阪神の矢野燿大監督=代表撮影(C)朝日新聞社

 7月4、5日の広島戦(マツダスタジアム)は投打ががっちりかみ合い2連勝した阪神だが、開幕から2週間で大きくつまずいたのが響き、4勝10敗の借金6で最下位(7日現在)と依然として厳しい状況だ。

【ファンが選んだ平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!】

 矢野燿大監督は3年契約の2年目。昨年はシーズン終盤に怒濤の6連勝で3位に滑り込み、クライマックスシリーズ(CS)進出と及第点の成績だった。しかし、今季は采配に疑問の声が多い。
 
 前任の金本知憲監督は新たに3年契約を結んだ2018年に17年ぶりの最下位に沈んだ責任を取り、同年限りで辞任している。阪神を取り巻く空気として、「成績が低迷したら監督が責任を被る。複数年契約はあってないようなもの」という見方で一致している。
 
 最後にリーグ優勝したのは岡田彰布政権の05年。真弓明信、和田豊、金本……。選手時代は主軸としてチームを支え、指揮官として頂点を目指したが、志半ばでチームを去った。阪神は関西の象徴だ。メディアに連日大きく取り上げられ、少しでも負けが込めばたたかれ、ファンの怒りの矛先は監督に向く。
 
 冷静に考えて、この戦力で優勝は厳しい。腰を据えて若手を育てて、2、3年後に優勝を目指すべきだろう。ただ、ファンがそれを許さない。補強した新外国人が力を発揮できず、その外国人に出場機会を奪われた若手が育たずに伸び悩む。近年の阪神はこの悪循環が続いているように感じる。
 
 在阪スポーツ紙のデスクはチーム再建へ、阪神OBでなく外部からの監督招聘(しょうへい)を提案する。

「星野仙一さんがジョージ・アリアス、片岡篤史、金本、伊良部秀輝、下柳剛、久慈照嘉と大型補強して03年にリーグ優勝を飾ったように、チームの雰囲気をガラッと変えられるカリスマ性を持った人が良いと思います。個人的には、中日の監督で8年間すべてAクラス、リーグ優勝4回と黄金時代を築いた落合博満さんが、阪神の監督になってどういうチームを作るのか見てみたい」

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