「4、5月は勉強に集中できず、こんなことで志望大学に合格できるのか不安を感じました。オンラインで先生と面談し、気持ちが落ち着きました」
志望大学は総合型選抜も実施しており、チャレンジする予定。新型コロナで勉強だけでなく、行事がつぶれたり、所属するクラブの引退試合である公式戦ができなくなったりしたことが心残りだ。
「今は気持ちを切り替えて、受験に全力で臨みます」
都内の有名大附属の中高一貫校に通う男子生徒は、附属大に進学せず東京工業大を目指す。
「いろいろな大学のオープンキャンパスを訪れたのですが、設備など研究環境は国立が勝っていると感じました」
環境に興味があり、将来は建築材料を研究し、環境に負荷がかからない建物を造りたいという。コロナの影響で弱気になったことも。
「5月は学校にも塾にも通えず、勉強のモチベーションが保てなかった。学校に通うことで生活リズムを保っていると痛感しました」
附属大に進学しようか迷ったが、やはり第1志望を貫くことに。8割が附属大に進学するなか、周りに流されないように気持ちを引き締める。この先の受験がどうなるのか、先を見通せないことが心配だという。
「受験期にコロナが蔓延したらどうするかなど、文科省は具体的な対策を立ててほしい。指標があれば、受験生はそれに向かって頑張れます」
都内私立高校の特進クラスに通う女子生徒は、東京理科大が第1志望。建築学科を目指している。学校は3カ月間休校し、その間登校できるようになるのかわからず、不安を感じたという。授業の遅れを取り戻すため夏休みが短縮されるが、逆にそれが悩みの種だ。例年だと塾で40日間かけて行う受験対策が、大幅に割愛されそうだ。入試に関して文科省に注文がある。
「大学に発展的な学習内容を出題しないよう求めていますが、入試は変わりそうにない。受験生に下手に希望を与えず、これまで通りやります、と言ってくれた方が、私はいいです」