土壇場でイチローが勝ち越し打を放ち、ダルビッシュが抑えて連覇――。4年前の決勝、歓喜の瞬間は記憶に新しい。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、3月2日に開幕する。侍ジャパンには3連覇の期待がかかるが、4位に終わった北京五輪の二の舞いを危ぶむ声も漏れてくる。

 世界16カ国・地域が参加するWBC。日本が3連覇を果たすためには、1次、2次ラウンドで勝ち残り、米国で開催される決勝トーナメントへ進まなければならない。

 過去の実績を考えると、日本が決勝に進むのは当然と思いたい。だが、今回は大リーグ勢がゼロ。2月23日のオーストラリアとの壮行試合は逆転勝ちしたものの、先発したエース田中将大楽天)は制球が定まらなかった。

 野球解説者の江本孟紀さんはこういう。「ネックは首脳陣に現役の監督、コーチがいないことです。第1回の王貞治監督、前回の原辰徳監督は現役で、選手との間に連帯感が生まれやすかったですけどね。今回は現場を離れている分、厳しい状況になったとき、首脳陣がガチガチになりかねない。その結果、選手にプレッシャーをかけてしまうと最悪です」。

 山本浩二監督にはリーダーシップを期待したいところだが、過去2度のWBCで日本代表に密着取材してきたスポーツライターは辛口だ。

「王さんも原さんも、言葉で選手の心をつかんでしました。でも浩二さんにはそれが皆無。ボキャブラリーが貧困で、話の中身がない。求心力もない。そもそも帽子が似合ってないです」

 帽子のことまでボヤきたくなるほど、物足りないということか。

週刊朝日 2013年3月8日号

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