宮司の吉嗣敬介さんはそう明かす。
愛宕神社(東京都港区)は、1996年という早い時期からバーチャル参拝に取り組んできた。
「日本で一番早く、神社としてホームページを立ち上げたんじゃないかと思います。愛宕神社のことをもっと知ってもらうことが目的でした」
権禰宜の松岡里枝さんが説明する。
ホームページから「ヴァーチャル参拝」をクリックすると、鳥居とその先に続く石段が現れる。「次へ」をクリックしていくと手水舎や社殿に進み、実際に参拝した気分になる。参拝できない人や海外の人から喜ばれているという。
「バーチャル参拝をしたことで、参拝をしたことになるというわけではありません。ネットの画面の中には神様はいらっしゃるわけではありませんから。画面の先にいらっしゃる神様を思い、コロナが落ちついたらお参りにいらしていただければと思います」(松岡さん)
もちろん、実際に初詣に訪れる人たちのための感染対策も実施する。
「少しでも安心してお祈りをしてもらい、安らかな新年をお迎えいただきたいです。それが私たちの願いでもあります」
「新しい参拝様式」で新しい一年をスタートしてはいかがだろう。(本誌・鮎川哲也)
※週刊朝日 2021年1月1‐8日合併号