東尾修
東尾修
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DeNAのオースティン。多くの球団が中核の外国人を欠いたまま開幕を迎えそうだ (c)朝日新聞社
DeNAのオースティン。多くの球団が中核の外国人を欠いたまま開幕を迎えそうだ (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、新型コロナウイルス拡大による外国人の新規入国制限が、球界にさまざまな影響を与えると指摘する。

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 プロ野球は3月26日にセ・パ同時開幕を迎えるが、新外国人助っ人は開幕に間に合わない可能性が現時点で高まっている。

 緊急事態宣言が全国的に解除されたとしても、新型コロナウイルスの変異株の影響もあって、政府が外国人の新規入国制限を解除するかどうかの見通しは立っていない。

 プロ野球とJリーグは入国から2週間の待機期間について短縮、もしくは待機期間中に、時間と場所を他選手と分けて練習ができるよう許可を求めているというが、なかなか難しい。仮に現時点で来日しても、2週間の待機期間を経て、調整、実戦と段階を踏むと1カ月はかかる。

 このコラムを書いている時点で、入国済みの新外国人選手は広島・クロンのみ。DeNAなどは支配下の外国人全5選手が来日できていないという。思えば、新型コロナウイルスの第3波拡大を予測して、外国人の来日を早める交渉ができていたかどうか、そこが分岐点だったろう。そうなると昨年12月までに話し合いを済ませていなければ、来日できていない。

 先を見据え、外国人を入国させていたチームの企業努力といえばそれまでだが、戦力差が大きくなるのは間違いない。DeNAなどはオースティン、ソトと打線の中核を成す2人が開幕から欠ける。それもいつまで合流が遅れるかも見通せない。逆に外国人選手の出場制限を設ければいいのでは、との意見も出るだろうが、選手個々と出来高を含めた契約を結んでいる以上、不利益変更となる制限を加えることなどできない。

 巨人田口麗斗ヤクルトの広岡大志のトレードが成立した。このケースでいえば、違った目的があるのかもしれないが、今後も中核を担う選手が欠けているチームは、積極的にトレードなどを行い、穴を埋める作業が必要になる。現場とフロントが一体となって、積極的に動かないと、穴の多いチームと戦力が整っているチームの格差はより大きなものとなる。

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