インタビュー中、本高さんは昨年度版の本誌を手にとって「実はこのムック、うちにあるんです」と教えてくれた。「母が買ってきて、ぼくも隅々まで読みました。大学を偏差値だけで選ぶのは、もったいないと思います」
世界がコロナで混乱した2020年は、就職活動をする学生にとって厳しい年だった。しかし本高さんのいる早稲田理工は違った。
「友だちはみんな就職が決まりました。早稲田は卒業生とのタテのつながりが強く、学生数も多いので情報も多い。研究室の卒業生からのアプローチも多いですし、理系の強さを感じました」
それでも本高さんは、アイドルという道を選んだことに迷いはない。
「長いこと、ジャニーズの自分と勉強する自分との間に違和感のようなものがあったんです。でもいまは違います。早稲田大学卒業という肩書があるからこそ、クイズ番組に出られるし、雑誌のインタビューにも呼んでもらえる。ようやく二つの自分がリンクしてきた気がします」
でも、それだけで満足したくはない気持ちも、本高さんにはある。
「ぼくは釣りや魚が大好きで、魚をさばくことも趣味の一つ。その過程で、日本の水産業の問題について考えてきました。日本人の魚離れや食品ロスの問題も深刻です。大学院での研究のテーマとしても興味があるし、タレントとして発信力をつけて、今後何か貢献できたらと思っています」
(神素子)
もとだか・かつき/1998年東京都生まれ。2011年ジャニーズ事務所入所。18年に「7 MEN 侍」として活動を開始。高校受験で早稲田大学の付属校である早稲田大学高等学院に合格。17年早稲田大学創造理工学部に入学、21年同大学院に進学。「ジャニーズクイズ部」の一員としてクイズ番組でも活躍中。(本高克樹の「高」は正しくはハシゴダカ)