「大学受験で仕事を休まなくていいように、と思ったんですが、高校生活との両立もかなりハードでした」

 ハイレベルな授業、気の合う仲間、盛り上がる行事。「この学校を選んで大正解!」と確信するほど楽しかったが、出席日数を数えながら仕事を続ける日々が続いた。

「授業に出るとほかのジュニアに後れをとってしまう、という不安もありました。当時はグループに所属していなかったので、いつ仕事がなくなるか気が気じゃなくて……」

 それでも内部推薦で第一志望の創造理工学部進学を勝ち取った。専攻は経営システム工学だ。

「簡単に言えば、社会にあるさまざまな問題に対して、工学でどう解決方法を見いだせるか考える分野です。統計学やプログラミング、数理学などを幅広く技術として取り入れていくので、興味深かったですね」

 専門以外の授業も、予想以上におもしろかったという。その一つが徹底的に実験の基礎を学ぶこと。

「授業時間が長くて嫌がる人が多かったんですが、実験をしてこそ理系だとぼくは思うし、それだけやってくれるのは早稲田ならではだと思います」

 学部共通で受けられるグローバル系の授業も豊富だった。

「中国語を英語で勉強するという授業をとったんですが、マイナーすぎて、まさかの先生とマンツーマン。お得な授業でした(笑)」

 大学では、ジャニーズとは違うタイプの友人が多いという。

「大学での自分はめちゃくちゃ地味で、友だちも静か。いっしょにつけ麺や台湾まぜそばを食べに行って、いっしょに課題をこなして。その足で仕事に行くと、世界がやけにキラキラしてて(笑)。メンバーに『克樹、老けた?』『ヤバイよ、ジャニーズ感ゼロ』と言われて、マズイ、戻さなくちゃ!って」

 理系学生とアイドル。二つの世界が自分の周りにあることが、徐々に心地よくなってきた本高さん。そして大学2年生のときに、7 MEN 侍としての活動が始まった。

「すごくいいタイミングでした。必修の多い1年生のときであれば、大学を4年間で卒業することは不可能でしたし、卒業が近づいていたらアイドルを辞めて普通に就活していたかもしれません」

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「大学を偏差値だけで選ぶのは、もったいない」