料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「ズッキーニの手作りジャム」。
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ジャムはフルーツで作るイメージがありますが、野菜でもおいしく、しかも簡単に作れるんです。なかでも私のおすすめは、イタリア料理でおなじみのズッキーニで作るジャム。新ショウガの辛みがきいて、お料理にも使えるので重宝しますよ。
ズッキーニは皮をむき、輪切りにします。新ショウガを使うと色がキレイに仕上がりますが、なければ土ショウガを千切りにしてください。これにレモン果汁とグラニュー糖を加えて混ぜ、30分ほどおきます。すると野菜から水分が出てくるので、この水分を使って煮ていきます。
搾ったレモンの皮は丁字と一緒に出汁用の袋に入れ、一緒に煮てください。レモンの皮にはペクチンが含まれるので、砂糖と煮るととろみがつくんです。スパイシーな味がお好きな方は、黒粒胡椒を加えて煮てみてください。
このジャムは、パンやチーズに添えてもいいですし、野菜を使っているので豚肉や鶏肉のソテーにも相性ぴったりですよ。
(構成/沖村かなみ)
■ズッキーニの手作りジャム
【材料】(2人分)ズッキーニ2本(200g)、新ショウガ(もしくは土ショウガ)30g、レモン1個、グラニュー糖100g、丁字(クローブ)3粒
【作り方】(1)ズッキーニは皮をむいて厚さ5mmの輪切りに、新ショウガは千切りに、レモンは半分に切って果汁を搾る。(2)出汁袋に搾ったレモンの皮と丁字を入れる。(3)鍋にズッキーニ、新ショウガ、レモン果汁、グラニュー糖を入れて混ぜ、30分ほどおく。(4)砂糖が溶けて水分が出てきたら(2)の袋を入れ、フタをして中火弱で25分ほど野菜がやわらかくなるまで煮る。(5)袋を取り出し、ミキサーでなめらかにして冷まし、密封容器に入れて冷蔵庫で保存し、2週間ほどで食べきる(ミキサーがなければ、あらかじめ野菜を細かく切っておくといい)。
【ワンポイントアドバイス】丁字と搾ったレモンの皮は出汁用の袋に入れておくと後で取り出しやすい。材料にグラニュー糖を加えてしばらくおくと野菜から水分が出てくる。
※週刊朝日 2021年9月10日号