10日阪神戦でタイムリーを放つオスナ(C)朝日新聞社
10日阪神戦でタイムリーを放つオスナ(C)朝日新聞社

 特に課題だったのが、打率、本塁打、打点ですべてベスト5入りするなどハイレベルな成績を残した村上宗隆の後を打つ五番バッター。今年はソフトバンクから移籍してきた大ベテランの内川聖一が開幕からそこに収まったが、ほどなくして新型コロナウイルスの濃厚接触者と判定され、自宅隔離のため離脱。その後は4人の選手を入れ代わり立ち代わり起用したものの、なかなかフィットしなかった。

 そんな中、4月23日にオスナとサンタナが一軍に合流。その日はメジャー通算77本塁打のサンタナが五番、同24本塁打のオスナは六番に入ったが、すぐに五番・オスナ、七番・サンタナが定位置となる。2人は来日後、ファームで3試合に出場しただけで一軍に合流したのだが、日本の野球へのアジャストは思いのほか早かった。

 当初は三塁を守っていたオスナは5月初旬から一塁に固定され、右翼手のサンタナともども早くからバットで結果を出した。“未知数”だった2人にメドが立ったことで、交流戦の終盤にはチームのラインナップがほぼ固まるようになる。

 オスナはベネズエラ出身、サンタナはドミニカ共和国の出身。同じ1992年生まれであり、母国語はどちらもスペイン語。そんな2人は、常に行動を共にした。これがもし、1人での来日だったなら、異国の地で心細さもあったかもしれない。同い年で同じ言葉を話す“相棒”がいたことは、どちらにとっても心強かったはずだ。

「試合はあくまでも『ゲーム』。楽しまないと」というのが信条のオスナは、タイムリーを打った際に両手を挙げて左右に振るポーズをチーム内に流行らせるなど、見るからに陽気。マジック7で迎えた10月15日の巨人戦(神宮)では、7回に逆転3ランをレフトスタンドに叩き込むと、左手に持ったバットを高々と掲げて「どんなもんだい」と言わんばかりに自軍ベンチを指さし、右手でバンバンと胸を叩いてそのバットをポーンと放り投げた。

 そのオスナに比べるとやや控えめな印象のサンタナも、この試合で一度は試合を振り出しに戻す一発を放つと、ベースを一周する際にグッと拳を握って腕を思い切り振ってみせた。この日は2本のホームランを含む4打数4安打の大当たりで、試合後は逆転3ランのオスナと共に神宮のお立ち台に上がった。

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阪神、巨人との差は“新助っ人”?