好調ヤクルトを支える新助っ人オスナ(左)とサンタナ (c)朝日新聞社
好調ヤクルトを支える新助っ人オスナ(左)とサンタナ (c)朝日新聞社
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 6年ぶりの歓喜が近づいている──。2015年以来のセ・リーグ優勝に向け、マジックナンバーを「4」としているヤクルト。敵地・甲子園に乗り込んだ10月19日の阪神戦では大敗を喫したものの、今日の同カードに勝てば、明日21日にも本拠地の神宮で優勝が決まる可能性が出てくる。

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「野手、投手を問わずチームにプラスアルファをもたらす選手がどれだけ出てくるか──。ヤクルトが2年連続の最下位から巻き返し、セ・リーグの台風の目となるかどうかは、そこにかかっている」

 今年の春先、このAERA dot.に寄稿したコラムにそう書いた。「台風の目」どころか主役にまで躍り出たヤクルトにとって今シーズン、最も大きな「プラスアルファ」をもたらしたのは、その記事でも名前を挙げた高卒2年目の奥川恭伸だろう。

 昨年の一軍登板はわずか1試合だったが、今年は17試合に先発して9勝4敗、防御率3.35。19日の阪神戦では初回に3ランを浴びるなど、4回途中5失点で負け投手になったものの、それでも17試合中12試合がクオリティースタート(QS=先発で6回以上投げて自責点3以下)。QS率70.6%は、チームでは10試合以上先発した投手の中でトップの数字である。

 野手では、ルーキーイヤーから度重なる故障などで年間を通してプレーすることができなかった塩見泰隆が、今年はシーズン途中からほぼ不動の一番・センターに定着。ここまで打率.287(リーグ11位)、14本塁打、58打点、21盗塁(リーグ3位)の好成績を残しているのも、大きなプラスアルファと言っていい。

 打線においては、見逃せない「プラスアルファ」がほかにもある。それが今季から新たに加わったホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナの“助っ人”コンビだ。「強力」と言われるヤクルト打線ではあるが、最下位に終わった昨シーズンはチーム打率も.242でリーグ最下位、468得点(1試合平均3.9得点)は同5位と苦しんだ。

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“未知数”だった2人が早い段階で戦力に