おおた:なるほど。僕が感じたのは、森のようちえんでは「変人」が育つなということ。本当はみんな変人なんです。でもみんな同じような顔にしちゃおうという社会の圧力が働いて、同じ顔になってしまう。森のようちえんに関わると、まず大人が常識から解放される。そして、ありのままの子どもを認めることができるようになる。
■子どもの声を聞く余裕
浅井:森のようちえんにかかわる保護者は、我が子の見たい姿だけでなく、見たくないところも見ます。その両方に向き合っているからこそ、親が本当の意味で子どもを信じることができるようになるのだと思います。
西村:「なんで今立ち止まるの」「なんで今泣くの」など、子育てではイライラすることもあります。でも、私は森のようちえんと出合ったことで、子どもなりの理由があるということがわかりだしました。そうすると、我が子に対する声のかけ方も全然変わり、頭ごなしに叱ることがなくなった。子どもの声を聞く余裕が出てくる。そういう気づきを与えてくれるのが、森のようちえんだと思います。
(構成/フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2021年11月1日号