北風も強くなり始め、朝夜の気温も低いので、家の駐輪場にひとまず段ボールハウスを作り、“外猫状態”で家族を探す事にしました。発砲スチロールに段ボールを入れて風避けシートを張り、中に湯たんぽとタオルを敷くと、ちびちゃんはそこで過ごすようになりました。
しかし、なんだかお腹が少し大きい気がする。本当に子猫なんだろうか? もしかして妊娠してる? と心配になり、動物病院へ連れて行き、エコーを撮ってもらうとお腹の中はうんちだらけ、ただの便秘でした(笑)。推定2、3カ月と診断され、その後、避妊手術を受けました。
◆里子に出て判明した猫エイズ
するとまもなく、「先住猫が黒猫なのでもう1匹黒猫を飼いたい」と仰ってくださる方が現れました。これでこの子は幸せになれる! と安堵したのですが、先住猫との相性が合わず、おまけに猫エイズキャリアだと判明(先方で調べてくださった)。先方は「どうしましょう」と困っていましたので、「飼えないならうちの前に返しておいて下さい」と伝え、子猫は段ボールハウスに出戻りました。
このまま外で野良猫にするのか、それとも全て(エイズキャリアのことも)お伝えして再び家族を探すのか……。悩んだ末に出した結論は、「わが家の家族にすること」でした。
日を追うごとに寒くなり、このまま外にいれば猫風邪をひくだろうし、そうすれば間違いなく免疫力が落ちて猫エイズを発症し、寒空の下で命を落とすかもしれません。それなら、最期はせめて“暖かい家”で逝かせてあげたいと思い至ったのです。
2匹の先住猫への(猫エイズの)感染リスクも、もちろん考えました。でも2匹は去勢をしているし、人間がある程度コントロールすることで、ガガとは共生ができるだろうと考えました。万が一、先住猫が感染したとしても、2匹の年齢を考えると、発症するまでに寿命がくるかもしれない。とにかく、ちびちゃんの「死に場所」は外ではなく、室内にしてあげたかった。