「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さん。連載「偏差値にとらわれない中学受験相談室」、今回は、国語の読解問題など、文章への苦手意識に悩むお母さんからの相談です。
【マンガ】中学受験で合格したのに…「やっぱり地元の公立中に行く」 息子の告白に両親が出した“答え”とは?(全35ページ)安浪:ラノベを読ませたり、音読したり……お母様がいろいろ一生懸命にやっていらっしゃる様子は伝わってきますね。
矢萩:そうですね。でも、本人が興味のあるはずの本でも読めないということは、書字障害がないとすれば、文章そのものに対して「いい思い出」がないんでしょうね。文章=つまらない、面倒くさい、という刷り込みがあるのかもしれません。日本の学校は「読み書きができてなんぼ」の世界なので、そういう意味では文章を読み、内容を理解し、意味を把握するリテラシーの不足は受験に直結してしまいます。
安浪:算数の文章題のような短い文が読めるのかどうかも気になりますよね。でも、まだ4年生。今「読めない」と言っていても、今後変わる可能性もありますね。
矢萩:はい。だから、今の時点で「もうダメかも」と思わなくて大丈夫。4年生で「読むのが面倒くさい」という子なんて山ほどいますよ。無理に読ませてしまうと、逆に「文字アレルギー」みたいになってしまって、そこからのリカバリーが大変になる。
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