女の子特有の気の強さが目力に「私がガガよ」(提供)
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 飼い主さんの目線でのストーリーを紡ぐ新連載「猫をたずねて三千里」。今回、お話を聞かせてくれたのは滋賀県在住の主婦、忍さん(51)。結婚以来、保護猫や保護犬を続けて飼ってきました。9年前の冬、猫エイズキャリアの雌の子猫と出会い、悩んだ末に「末っ子」として家族に迎えました。“猫が嫌いで人が大好き”な子猫は、わがままながら元気いっぱいに育ち、家族を惹きつけました。しかし今秋、突然の別れが……。あふれる思いを語ってくれました。

【写真】心配そうに見守る先住猫。この翌日にガガちゃんは虹の橋を渡った

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 10月2日、1匹の愛猫が虹の橋を渡って行きました。

 猫の名前は、「ガガ」といいます。わが家ではずっと保護した猫や犬と暮らしてきたのですが、いずれも男の子ばかり。その子は初めての女の子=レディなので、ガガと名付けました。

 ガガを初めて見たのは、2012年の11月末。師走が迫る寒い日、家の前にふらっと現れました。小さくて鳴き声もまだ子供っぽかったので お母さん猫とはぐれた感じでしたが、いつの間にか、わが家の玄関前や勝手口に居つきました。

 野良ちゃんなのに、人懐こく甘え上手。そして家族の様子をよく見ている。家の扉を開けると足に擦り寄り『おばちゃん、寒いからちょっとお膝乗せて~』とばかりに足によじ登り、膝に乗せてあげるとゴロゴロと喉を鳴らし、眠る素振りまで見せたりして。

 でも、家にはその時、8歳の黒猫「ジジ」と、7歳の白猫「ハク」、6歳のフレンチブルドッグの「ブク」がいました。ブクに手がかかっていたし、私は仕事もしていたので、「子猫をみる余裕はないかな」と思いました。

 子猫は息子のことがとくにお気に入りで、当時中学生だった息子が、夜、塾から帰ってくるときに、“どこからともなく”現れて自転車の前を走って家まで先導したり、朝、学校に向かうときに後を追って大通のほうまで行ったり。

「ちびちゃんが信号のとこまでついて来た。轢かれちゃうよ」と電話をもらって、私が迎えに行ったこともありました。

 そんな姿を見ているうちに放っておけなくなって、「うちでは無理だけど、この子に温かい家族を探してあげたい」と思うようになったのです。

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飼えないならばうちの前に返しておいてください