ダイニングを兼ねたカフェスペース
ダイニングを兼ねたカフェスペース

 越谷レイクタウンの1階は、お花の教室やカフェとしても提供する。喜恵子さんは「シェアハウスで和気あいあいとしたかった」と話すが、個人主義的な人もいて、難しさもあるとも。問題があれば入居者と話し合い、中原さんたちも支援して、解決に取り組む。

 サラリーマンを辞め、シェアハウスを運営するようになったのは石川健さん。自分で購入しリフォームして自ら運営するのが3棟、運営受託が1棟、計4棟を運営している。横浜市旭区にあるシェアハウスは6部屋のうち半分くらいが外国人で、留学生や日本で働く人たちだ。

 石川さんは、学生時代に米国でホームステイをした経験から、日本で外国人の世話をしたいと考えるようになったという。外国人は1年未満で出ていく人も少なくない。不動産賃貸借契約では初期費用がかかるうえ、家具や家電などをそろえるのに費用がかかる。冷蔵庫や調理家電などを備えたシェアハウスならば、外国人も暮らしやすい。

 今後のシェアハウスについて、石川さんは「多様化が進むだろう」とみる。たとえば、ペット可能の物件や、シングルマザーやシニア向けなど。

 中原さんは「年齢が上がると、一人で生活しているのがさみしくなり、コミュニティーを探している人もいる。女性のほうがコミュニティーを求める人が多い」と話す。

 一方、高橋さんは「シニアは譲り合えない部分が多い人もいると思う」と指摘する。シニア向けになると、運営の難しさもあるだろうと話す。若い感覚を持っているシニアだと、コミュニケーションも円滑になるかもしれないとみている。

 国土交通省のガイドブックは、空き家の増加が今後も見込まれ、シェアハウスとして活用することで、空き家物件の不具合の早期発見が可能になると指摘する。オーナーは賃料収入も得られるとも。部屋数の多い空き家は、シェアハウスという活用法が選択肢になりそうだ。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2022年11月18日号