大阪府豊中市のegg豊中は7部屋のシェアハウス。運営するGraf(奈良県生駒市)の高橋雅樹代表は「大阪大学が近く、阪大生と社会人で6対4ぐらい。社会人は20代から30代半ばくらいまでが多い」と話す。

 この物件はオーナーが同じ市内に二世帯住宅を建てて両親と同居するようになり、5年ほど空き家になっていた。利用相談を受けた高橋さんが見てみると、「一般の賃貸にするには部屋数が多すぎた」という。そこでシェアハウスにすることを提案し、リフォームして運営を始めた。

 入居希望者に対しては「内覧のときにルールを説明し、守ってもらうようにしている。面接で共同生活に適さない方はお断りしている。そういう方が2割くらいいる」(高橋さん)。

 高橋さんは5棟のシェアハウスを運営していたが、現在は2棟になっている。「元々オーナーが住んでいたが別のところへ移り、空き家になったパターンが多い」と話す。

 シェアハウスひだまりを運営するのがHidamari(本市)。関東エリア担当の中原琢さんは、子どもが独り立ちして部屋が空き、所有者が住みながらホストとなり、ルームシェアする事例がいくつもあると話す。一人で暮らすのは寂しいと感じる、3LDKや4LDKくらいの物件に住む60歳以上の人が多いという。共用部分は一緒に使い、「昔の下宿に近い」と中原さんはみる。

 シェアハウスでは入居者同士の相性の問題はある。中原さんによると、共同生活がうまくいかない人は1カ月以内に出ていくことが多い。トラブルが起きると、運営する中原さんたちが対応し、別の物件を初期費用がかからない形で斡旋(あっせん)するなどサポートをしている。

 シェアハウスの家賃相場は「近くに同じようなシェアハウスがあればそれに準拠し、なければワンルームマンションの相場から2~3割くらい下げる」(中原さん)。

 中原さんたちが運営するシェアハウスの一つに、越谷レイクタウン(埼玉県草加市)がある。オーナー夫妻の豊田喜恵子さんによると、すぐ向かいに家を建てて引っ越したため、空いた家をシェアハウスにした。5部屋のうち4部屋が埋まり、男性3人と女性1人が住む。年齢は20代から30代という。喜恵子さんは「向かいの家に住んでいるため、居住者との密着度は高い」と話す。

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