全国各地で教員によるわいせつ事件や処分が相次いでいる。写真はイメージ(GettyImages)
全国各地で教員によるわいせつ事件や処分が相次いでいる。写真はイメージ(GettyImages)
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「私とYちゃんはつき合っていました。恋人同士だったんです」。12歳の女子児童に性加害行為をして刑事罰を受けた、49歳の男性が発した言葉である。小児性愛障害者やそれに近い加害者にはこうした「認知のゆがみ」や「自己正当化」が見られ、教育現場などで子どもたちが犠牲になってきた。なぜ子どもへの加害行為を止められないのか。専門家に彼らの実態を聞いた。

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「Yちゃんは16歳になったら私と結婚するつもりでいました。いえいえ、はっきり言葉にしなくてもわかりますって、愛し合っているなら当然のことでしょう? そりゃセックスもしましたよ。恋人同士ですもん。それを周りの人たちが、ぶち壊したんです」

 冒頭の49歳の男性の言葉は、こう続く。

 2000人を超える性犯罪者の治療に携わってきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏(大船榎本クリニック精神保健福祉部長)が、著書「『小児性愛』という病-それは愛ではない」(ブックマン社)の中で紹介したものだ。女児が被害者だとはつゆにも思っておらず、身の毛がよだつ内容である。

 日本では刑法上、13歳未満の子どもと性行為をすることは犯罪である。都道府県の条例では18歳未満との性行為も禁じている。

 斉藤氏によると、子どもに性加害行為を繰り返す者の中には、13歳以下の子どもに強い性的興奮や衝動を持続的に抱く「小児性愛障害(Pedophilic Disorder)」という精神疾患をかかえていたり、診断はされなくとも、それに近い状態の人たちがいる。そして子どもに性加害を繰り返す人は、この男性のように自分の行為を巧妙に正当化するのだという。

 斉藤氏が解説する。

「犯罪だということは大人ですから当然、わかっています。それでも加害行為を続けるために、本人にとって都合のいい認知の枠組みで現実を捉える。これが『認知のゆがみ』と呼ばれるものです。(冒頭の)49歳の男性のように『純愛だからセックスするのは当然(純愛幻想)』などと言ったり、女の子が怖がって顔をしかめているだけなのに『気持ちよくて喜んでいる』『教えてあげている』などと、自分の都合のいいように正当化するのです」

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わいせつ教員が再び教壇に戻る可能性も