◆手ごわい娘ほど立派に育てた証し
樋口さんは、重要な視点としてこう指摘する。
「今25歳の娘と50歳の母なら、同じ時代を生きているでしょう。問題は私たち世代。孫の進学、子どもの結婚など口出しするチャンスはいくらもあるけど、ばあさんの価値観が通用することなんて、ひとつもありません。いい学校もいい会社も、評価は時代と共に変わるんですから」
これまでの話とともに、樋口さんの以下の指摘をぜひ参考にしてほしい。
1.母や祖母は社会に出よ。友と交わり世間にふれ、自分の立ち位置をしっかり確保できれば、家庭内の瑣末な問題などスルーする力はつく!
2.自分の子育てに自信を持つ。頼りなく見えても、娘は今の情報に一番通じている。自分が手塩にかけた子なら大丈夫、と任せておけばヨシ。
「元気に寝て起きて食べていられりゃ御の字。どこの世界に子犬が反抗的だからって悩む雌犬がいるものか。悩むのは人間である証しです。敵(娘)が手ごわければ手ごわいほど、あなたが立派に育てた証拠なんですよ!」
(ライター・浅野裕見子)
※週刊朝日 2021年12月3日号