今は世代交代の時期に差し掛かっており、かつての主力たちに頼れる時代は終わりを迎えている。野手では3連覇当時の上位打線トリオ“タナキクマル”の3番を担った丸佳浩が18年オフに巨人FA移籍。田中広輔は成績が下降して出場機会を失いつつある。その中で、菊池涼介が二塁手として一人気を吐いている状態だが、主砲・鈴木誠也は今オフ、ポスティング制度を利用してのメジャー移籍が決定的となっている。

 投手陣では16年に沢村賞を獲得したクリス・ジョンソンが20年限りで退団。また、3連覇時のブルペンを支えた中崎翔太、一岡竜司も成績は下り坂で、今村猛は今オフに戦力外となった。

 強かった時代の“名残”が消えつつあるが、それに代わる若手たちも台頭してきている。

「世代交代が進んでいる。野手では小園海斗と林晃汰がプロに慣れて使える目処が立った。中村奨成もプロで生き残るため考え方などに柔軟性が出てきた。もともと実力は文句なしの選手たちなので順調にきている。投手陣では栗林はもちろん昨年の新人王で2年目の森下も成長を感じさせた。中継ぎで投げ続けた森浦大輔、先発も経験した大道温貴などはさらに良くなるはず」(在京球団編成担当)

「どんな状況でも練習を怠らないのがカープの伝統。若手選手などはプロに入ってチヤホヤされ勘違いすることもある。結果が出ない時期には自暴自棄になることもある。でもそれを許さないだけの環境がある。練習をしなければ結果が出せず試合にも出られない。普段話していると何を考えているかわからないような選手も練習は死に物狂いでやる。安心して見ていられるので必ずチームも上向きになると信じている」(広島関係者)

 高卒3年目の小園は開幕二軍スタートだったが最終的に113試合出場で打率.298(134安打)、5本塁打、35打点をマーク。プロ入り時に比較された根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)から頭一つ抜け出した感もある。同期の林も102試合出場で打率.266(95安打)、10本塁打、40打点と結果を残した。1つ上の世代の中村奨もプロ入り初アーチを放つなど、来季以降に期待を持てる内容となった。本職の捕手以外で出場し、打撃を生かす道も出てきている。

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「若手の成長には目を見張るもの」