料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「いろどり温野菜のバーニャカウダ」。
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根菜やキノコがおいしい季節。イタリア料理「バーニャカウダ」を添えればいつもと違った味わいに。ニンニクやアンチョビの風味がきいた温かなソースは秋冬の食卓にぴったりです。
野菜はゆでずに蒸してやわらかくします。重ならないようにフライパンに並べ、水と塩を加えてフタをするだけなので簡単。お湯を沸かす手間なく短時間でいろんな野菜を調理できるのがいいところ。ただし火の通りにくいカボチャやレンコンは薄く切り、蒸し上がり時間をそろえるのがポイントです。
バーニャカウダは、まずニンニクを皮付きのままグリルで焼き、フォークでつぶしてください。これをオリーブ油の中でゆっくりと火を入れ、香りを油に移します。そこに細かく刻んだアンチョビを加えて全体をよく混ぜ合わせ、黒胡椒を加えたら完成です。
このソースをかけると野菜が不思議とパクパク食べられ、お酒のおつまみに大変身。バゲットにのせて食べても最高ですよ。いろいろおためしください。
(構成/沖村かなみ)
■いろどり温野菜のバーニャカウダ
【材料】(2人分)ニンニク4片、アンチョビ4~5枚、オリーブ油100ml、黒胡椒少々、ニンジン、ブロッコリー、紫イモ、レンコン、カボチャ、椎茸各適量
【作り方】(1)ニンジン、レンコンは皮をむき、すべての野菜を食べやすい大きさに切る。椎茸は石づきを切り落とし、かさに隠し包丁を入れる。(2)(1)を重ならないようにフライパンに並べ、分量外の水50mlと塩小さじ1をふり入れ、フタをして5~6分やわらかくなるまで蒸す。(3)ニンニクを皮付きのままグリルで5~6分焼く。皮をはずしてフォークでつぶす。(4)鍋にオリーブ油と(3)を入れて中火にかける。香りが出たら細かく刻んだアンチョビを加えてよく混ぜ合わせ、黒胡椒をふる。(5)皿に野菜を盛り付け、(4)のソースをかける。
【ワンポイントアドバイス】野菜が焦げつかないように、途中、鍋底の水がなくなったら少量加えて蒸す。
皮付きのニンニクをグリルやオーブントースターで中がやわらかくなるまで焼く。
※週刊朝日 2022年11月4日号