※写真はイメージです(GettyImages)
※写真はイメージです(GettyImages)
この記事の写真をすべて見る

 巷にあふれる肌ケア情報の中には、誤ったものや根拠の薄いものも少なくない。よかれと思って続けていた習慣がむしろ逆効果になっていることも。自分の体に耳を傾けて、生活習慣を見直そう。AERA 2022年9月12日号から「肌」特集の記事を紹介する。

【図版】今日から始めるケア!17の肌習慣セルフチェックはこちら

*  *  *

 肌トラブルが起きたときは、自己判断せずに専門家に頼るのがベストだ。だが、できれば自分でなんとかしたいと思ったり、「このくらいで病院に行くのも」と気後れしてしまう人もいるだろう。その境目をどう考えればいいのか。『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』などの著書がある、近畿大学医学部教授の大塚篤司医師はこうアドバイスする。

「スキンケアや化粧品は、自分で色々試してみるのが一番だと思います。でも、日常生活に支障が起きていたり、できものなどが1カ月ほど治らない場合は一度皮膚科で相談していただくのがいいですね」

洗顔の意外な落とし穴

 洗顔料に化粧水、乳液、アクネケアに毛穴ケア。市場には様々なスキンケア商品が並び、つい目移りしてしまう。

 その効果を最大限に発揮するために不可欠なのが、「正しい使い方」だ。

「顔を洗えばいい、化粧水をつければいいと思っていました」

 長年肌トラブルに悩まされていたという東京都内に住む30代の会社員女性は、自身のスキンケア遍歴をそう振り返る。

 社会人になって最初の週末。ともに上京した友人と、百貨店の化粧品売り場を訪れた。「肌診断」を受けると、やや乾燥気味との結果に。手始めに泡立ちが売りの固形石けんを買い、デパコスデビューを果たした。

「でも、私には向いていなかったんです」

 女性はそう言って、苦笑する。いったい何が不向きだったのか。

「それまでポンプ式の泡洗顔を使っていたので、石けんを泡立てるということにピンときませんでした。店頭ではめちゃくちゃ泡立っていたのに、私がやると全然ダメでしたよ」

 結局、泡洗顔に立ち返った。

「間違ったスキンケアをしている人は意外に多いんです」

 そう指摘するのは、『肌トラブル大全』の著書もある皮膚科医の小林智子医師だ。肌荒れに悩む人のなかには、そもそも洗顔の仕方が間違っているというケースも多いという。

次のページ