インドやスリランカが発祥の伝統医療で、最古の長寿の科学とされるアーユルヴェーダのチャクラとの関連性に春田さんは気づいた。人体にはエネルギーの集結、出入りの場所が七つあり、これをチャクラと呼ぶ。チャクラは背骨に沿って7カ所あり、それぞれに色がある。骨盤の底は赤、へそあたりはオレンジ、みぞおちのあたりは黄、胸の中央あたりは緑など。
春田さんによると、瞑想は、体のバランスがちょっと崩れたときに調整するのにいい。調子が悪くなってからは「そう簡単にいかない」という。普段どおりにいかないと「何かある」と気づき、早めに対処ができる。普段と違うときは、普段と違う色を好むようになることがあり、早めの気づきにつながるとも。
「普段から2分でも3分でも瞑想しておくと、自律神経がバランスをとりやすくなります」(春田さん)
自律神経は内臓や代謝、体温など体の機能を24時間、管理してくれる。交感神経と副交感神経にわかれ、前者は体を活発に動かすときに働き、後者は体を休めるときに働くとされる。
現代社会は呼吸が浅く、交感神経が活発で、緊張している人があまりにも多いとみる。そんなときは瞑想をして、深呼吸してみるのがいいという。深呼吸する際に、一方の手を頭の上にあて、もう一方の手で下腹部を押さえると、「自然に腹式呼吸になるので、好きな色を思い浮かべてください」と春田さんは話す。この呼吸は寝ているときと同じで、ゆったりとした状態になっている。
林香寺(横浜市)住職で、「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」の川野泰周副院長は、穏やかな心で過ごせるように、瞑想を勧める。瞑想法はたくさんあるが、シンプルなのは、次のようにすればいいという。
「背筋を伸ばして座り、数メートル先の床の一点を見る。手のひらは上に向け、ひざの上に置く。呼吸に意識を向ける」
■雑念を感じて呼吸に意識戻す
この瞑想で、鼻や口から空気が出入りし、自然な呼吸を感じることができる。途中で雑念を感じたら呼吸に意識を戻す。その繰り返しで「自己受容」をするという。川野さんは「雑念をいけないものと否定すると、逆に雑念が強化される」と話す。雑念を悪者扱いしないほうがいいという。