■広島:D

・主な新戦力
ニック・ターリー(新外国人・投手)
ドリュー・アンダーソン(新外国人・投手)
ライアン・マクブルーム(新外国人・内野手)
黒原拓未(ドラフト1位・投手)
森翔平(ドラフト2位・投手)
中村健人(ドラフト3位・外野手)
松本竜也(ドラフト5位・投手)
末包昇大(ドラフト6位・外野手)

 既存戦力のダウンという意味では主砲の鈴木誠也が抜けた広島が最も大きいことは間違いない。6年連続で打率3割、25本塁打をマークした打撃はもちろん、外野手としての守備面での貢献も大きかっただけに、その穴を埋めるのは簡単なことではないだろう。早くから鈴木が抜けることは想定できただけに、ドラフトでは中村、末包と社会人の右の外野手2人を確保した。ただ長打力と肩の強さはあるものの確実性には大きな課題が残るだけに、過剰な期待は禁物と言えそうだ。

 そうなるとやはり期待したいのが新外国人のマクブルームだ。メジャーでは通算6本塁打ながら、昨年は3Aで32本塁打を放っており、そのパワーは大きな魅力だ。しかし一方で三振の数は多く、そういう意味では昨年日本で苦しんだクロンと同じタイプとも言える。日本人投手の変化球とNPBのストライクゾーンに対応できなければ、クロンと同様に二軍暮らしが長くなる危険性もありそうだ。

 一方の投手はターリー、アンダーソンの外国人投手が苦しんだとしても、ドラフトで指名した選手による上積みが大きい。特に即戦力として期待できるのは2位の森と5位の松本の社会人出身の2人だ。森は本格派サウスポーでありながらコントロールも安定しており、試合を作る能力の高さが光る。1年目から先発ローテーション争いに加わることも十分に考えられる。松本も抜群のコントロールを誇る右腕で、先発、リリーフどちらもこなせる器用さがある。一昨年は森下暢仁、昨年は栗林良吏と森浦大輔が大車輪の活躍を見せたが、今年もそれに続く可能性は十分に考えられる。鈴木の穴を考えて総合的な判定はDとしたが、投手に関しては他球団と比べてもプラス材料は多い。


■中日:D

ギジェルモ・ガルシア(新外国人・外野手・育成契約)
フランク・アルバレス(新外国人・投手・育成契約)
岩嵜翔(ソフトバンクからFAの人的補償で移籍・投手)
大嶺祐太(ロッテを自由契約になり移籍・投手・育成契約)
ブライト健太(ドラフト1位・外野手)
鵜飼航丞(ドラフト2位・外野手)
石森大誠(ドラフト3位・投手)

 冒頭でも触れたように、昨年セットアッパーとして大車輪の活躍を見せた又吉がFA権を行使してソフトバンクに移籍したが、人的補償で同じリリーフの岩嵜を獲得。ここ数年は故障に苦しんだが、ボールの力は健在だけにそれほど大きな穴とはならないだろう。しかしそれ以外では目立った補強がなく、総合判定は最低のDとなった。まず外国人選手は育成契約のガルシアとアルバレスだけ。キューバの若手有望株とのことだが、まだ経験も浅く、数年後の戦力と考えるのが妥当だろう。

 ドラフトでは貧打解消のためにブライト、鵜飼という右の強打者タイプを上位で指名したが、この2人も即戦力としては考えづらい。ブライトは成績を残したのは4年春のシーズンだけであり、マークが厳しくなった秋は簡単に崩される三振が目立った。守備に関しても運動能力に頼った部分が多く、広い本拠地の外野を任せるためにはかなりのレベルアップが必要だろう。鵜飼もタイミングをとる動きに癖があり、大学4年間での通算打率は2割台前半と確実性は大きな課題。ドラフト指名後に4試合連続ホームランを放つなど、最後のシーズンに好成績を残したのは好材料だが、1年目から一軍での活躍は難しいだろう。

 そんな中で即戦力として期待できそうなのが3位の石森だ。昨年スタートした九州アジアリーグから初の指名となったが、ソフトバンクの三軍を相手にも圧巻のピッチングを見せており、左腕から繰り出す150キロ前後のストレートと鋭いスライダーはともに一級品のボールだ。時折コントロールを乱すのは課題だが、貴重な左のパワーピッチャーとしてリリーフ陣の一角に加わる可能性も十分にあるだろう。

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