■阪神:C

・主な新戦力
アーロン・ウィルカーソン(新外国人・投手)
カイル・ケラー(新外国人・投手)
渡辺雄大(ソフトバンクを自由契約になり移籍・投手・育成契約)
鈴木勇斗(ドラフト2位・投手)
桐敷拓馬(ドラフト3位・投手)
岡留英貴(ドラフト5位・投手)
豊田寛(ドラフト6位・外野手)

 昨年はルーキー3人が新人特別賞を受賞するなど大当たりだった阪神だが、このオフは絶対的クローザーだったスアレスの退団という大きなマイナスからスタートすることとなった。その代役として期待されるのが新外国人のケラーだ。メジャー通算成績は1勝、2ホールドと実績はないものの、昨年はパイレーツで中継ぎとして32試合に登板してイニング数を上回る奪三振を記録している。ただスピードはあってもコントロールは不安定で、そのあたりを日本で矯正できるかが大きなカギとなりそうだ。

 もう1人の新外国人投手であるウィルカーソンは先発として期待される右腕。こちらもメジャーで通算1勝と実績は乏しいが、マイナーでは安定した成績を残している。ケラーとは逆に制球力のあるバランス型の投手である。ただスアレスほど安定した抑えの穴を埋めるのは簡単ではなく、野手も前半戦にポイントゲッターとして活躍したサンズが退団した影響も小さくない。

 それでも最低ランクのDではなくCとしたのは昨年と同様にルーキーに期待できる部分があるからだ。投手では3位の桐敷と5位の岡留が面白い。桐敷は地方リーグながらどのボールもレベルが高く、三振を奪えるのも魅力だ。岡留は貴重な本格派サイドスローで、リリーフとして期待がかかる。野手では6位の豊田が即戦力になれる可能性がある。都市対抗では脚を痛めて初戦で途中交代となったのは気がかりだが、社会人の2年間で打撃の確実性が明らかにアップした。順位こそ低いものの、昨年の中野拓夢のようにいきなりレギュラー争いに加わる可能性も十分に考えられるだろう。


■巨人:B

・主な新戦力
マット・アンドリース(新外国人・投手)
アダム・ウォーカー(新外国人・外野手)
グレゴリー・ポランコ(新外国人・外野手)
鈴木優(オリックスを自由契約になり移籍・投手・育成契約)
勝俣翔貴(オリックスを自由契約になり移籍・内野手・育成契約)
翁田大勢(ドラフト1位・投手)
山田龍聖(ドラフト2位・投手)
赤星優志(ドラフト3位・投手)

 優勝を逃した年のオフは大型補強に踏み切ることが多かった巨人だが、FA市場が静かだったこともあってこのオフの動きはそれほど活発ではない。ただそんな中で期待がかかるのが新外国人の3人だ。投手のアンドリースはメジャーで通算28勝を誇る右腕。ここ数年はリリーフとして登板しているが、2016年には19試合に先発して8勝をマークしている。球速はそれほどでもないが、コントロールは安定しており、自滅することがないのは心強い。

 野手ではポランコの注目度が高い。2016年と2018年には20本塁打以上を放った左の強打者で、メジャー通算96本塁打の実績を誇る。2019年からは成績を落としていたが、昨年は3シーズンぶりに二桁本塁打を放つなど健在ぶりをアピールした。今年で31歳とまだ若く、シーズン5度の二桁盗塁をマークしているように脚力も備えているのも心強い。ウォーカーはメジャーでの実績はなく、位置づけ的にはウィーラーやポランコに何かあった時のバックアップ要員と言えるが、ウィーラーの年齢とコロナ禍でシーズン中の補強が難しいことを考えると的確な補強と言えそうだ。

 ドラフトでは1位で大学生の翁田、2位で社会人の山田を指名したが、完成度よりもスケールを重視した指名の印象が強く、本格的なデビューは2年目以降と考えておくのが妥当だろう。そんな中で意外に早く戦力になる可能性を秘めているのが3位の赤星だ。東都二部でのプレーが多かったが、一部に昇格した4年秋にもいきなり連続完封とその実力は申し分ない。特にコントロールはアマチュアでもトップクラスで、先発、リリーフどちらでも力を発揮できるのも大きな特長だ。

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