FA権を行使して他球団に移籍した選手は又吉克樹(中日→ソフトバンク)だけと比較的静かなオフとなったが、新外国人選手や他球団を自由契約となった選手を獲得した球団も少なくない。キャンプイン後もまだ動きがある可能性は高いが、現時点での補強について診断してみたいと思う。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準とし、退団した選手の影響も加味して評価した。今回はセ・リーグ編だ。/パ・リーグ編はこちら→ソフトバンクは“新戦力充実” ビッグボスの日本ハムは…【オフ補強診断 パ・リーグ編】
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■ヤクルト:C
・主な新戦力
アンドリュー・スアレス(新外国人・投手)
アンドリュー・ジョーダン・コール(新外国人・投手)
山下輝(ドラフト1位・投手)
丸山和郁(ドラフト2位・外野手)
柴田大地(ドラフト3位・投手)
昨年オフはサイスニード、オスナ、サンタナとメジャーで実績のある外国人選手に加え、内川聖一や近藤弘樹など他球団を戦力外となった選手も獲得するなど積極的な補強が奏功したヤクルト。このオフは昨年に比べると動きは少ないが、期待がかかるのがスアレスとコールの新外国人投手2人だ。スアレスは2018年にメジャーで先発として7勝をマークしたサウスポー。昨年は韓国のLGに移籍すると、10勝2敗、防御率2.18という好成績を残した。一方のコールもメジャー通算109試合に登板して14勝、4セーブ、3ホールドの実績を誇る。スアレスはまとまりのある投球でゴロを多く打たせるグラウンドボールピッチャーで、コールは力のあるストレートを中心に奪三振とフライでアウトを重ねる。
タイプの異なる左右の投手が加わったことはプラスでともに先発として期待されているが、気になるのはリリーフ陣の疲労だ。清水昇、マクガフ、今野龍太の3人は昨年60試合以上に登板しており、石山泰稚も昨年は成績を落としている。彼ら4人が離脱した時には中継ぎ経験もあるコールをリリーフに回すことも検討すべきだろう。ドラフトでは上位3人までを大学生、社会人で埋めたが1位の山下は故障で出遅れており、3位の柴田も社会人でほとんど実績のない“素材買い”だけに1年目の戦力としては考えづらい。2位の丸山が外野のバックアップとして戦力になる可能性はありそうだが、基本的には外国人投手2人以外の上積みはあまり期待できないだろう。