■DeNA:B

ブルックス・クリスキー(新外国人・投手)
ハンセル・マルセリーノ(新外国人・投手・育成契約)
藤田一也(楽天を自由契約になり移籍・内野手)
大田泰示(日本ハムを自由契約になり移籍・外野手)
徳山壮磨(ドラフト2位・投手)
三浦銀二(ドラフト4位・投手)

 まず国内FA権を取得した宮崎敏郎と早々に長期契約を結び、エスコバー、ロメロ、オースティンも残留したことでマイナスを防げたことが大きい。そして新戦力として最も大きなプラスとなりそうなのが日本ハムを自由契約になった大田だ。昨年はわずか39安打、打率.204と日本ハム移籍以来最低の成績に終わったものの、それ以前の4年間の成績は高いレベルで安定しており、広い札幌ドームから狭い横浜スタジアムに本拠地が変わることでホームランの増加も期待できる。また打撃だけでなく、高い守備力を備えているのも頼もしい。チームの外野は昨年オースティン、佐野恵太、桑原将志の3人が好成績を残したが、オースティンは故障が多く、桑原も安定感に欠けることからも大田の加入は大きなプラスである。また10年ぶりの復帰となった藤田も二遊間のバックアップ要員として貴重な存在となりそうだ。

 一方の投手はクリスキーにセットアッパーとしての期待がかかる。150キロを超えるストレートと空振りを奪えるスプリットで奪三振の高さが魅力の本格派だ。しかしスピードはあるもののコントロールの悪さは大きな不安材料で、昨年もメジャーで11回1/3を投げて5暴投を記録している。今年で28歳と若さがあるのはプラスだが、制球力の向上が大きなカギとなるだろう。ドラフトでは2位の徳山、4位の三浦と東京六大学野球で実績のある投手を2人獲得したが、ともに4年生で成績を落としているのが気がかりだ。そういう意味では課題の多い投手陣の補強はやや不十分な印象を受けるが、主力の流出を防ぎ、大田の上積みが大きいと考えてBと評価した。

パ・リーグ編も併せてお読みください→ソフトバンクは“新戦力充実” ビッグボスの日本ハムは…【オフ補強診断 パ・リーグ編】

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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