この骨芽細胞のもう一つの重要な役割が、前述したオステオカルシンを放出し、全身の若さを保つことなのだ。
オステオカルシンの分泌を促し骨密度を高く保つ方法として、太田さんがすすめるのが、「かかと落とし体操」だ。かかとを上げてつま先立ちになり、かかとをストンと落とす。この1回が2秒で、1日50回。合計たった100秒で済むトレーニングだ。
「かかとを落とした時の振動で、『骨が壊れるのでは』と危険を察知した全身の骨細胞が、骨芽細胞に『骨づくりをしなさい』とオステオカルシンの分泌を促す。同時に骨を壊す破骨細胞をスクレロスチンが抑えてもくれるので、一石二鳥です」
(編集部・小長光哲郎、ライター・羽根田真智)
※AERA 2022年1月17日号より抜粋