女性比率が他大学よりも際立って低い東京大学。進学した理系女子たちは、どんな理由から理系を選んだのか。AERA 2022年1月24日号は、東大薬学部卒、薬学博士のタレント・木村美紀さんに聞いた。
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小さな頃はお人形や三輪車でよく遊びました。
それが物心ついたとき、理系の父がパソコンの部品を買ってきては自分で組み立てていたんです。私も機械が身近になりました。
父とセミを捕りにも行き、観察をして、昆虫図鑑を読みました。すると、「なぜ、どうやってセミは鳴くのか」と疑問がわいてきます。それが生命への探究心につながりました。
両親がお人形遊びだけでなく、機械も、虫も、幅広い選択肢を与えてくれたと思います。
高校1年のとき、職業ハンドブックを読み、自分の心がピクッと揺れ動く職業を書き出しました。「人の幸せって何だろう」と思ったとき、幸せの形を変えてしまうのが病気やケガではないかと考えるようになりました。それを治す可能性を秘めている薬に未来を感じました。薬ひとつで世界中の多くの人が救える研究ってすごいです。
薬学部に、最新設備のある東大に進もうと決めてからは入試対策が面白かったです。入試に出ることがあるからと、ノーベル賞を受賞した最先端トピックを塾で教わることがあり、ますます生命科学にはまりました。
東大2次試験の数学の問題は数行の難問。(過去問が)わからないと何日も1週間もかけて考え続けて、参考書を読みます。解決の糸口が少しでも見えたら快感で、ゲームみたいでした。