これまでなら、行ける地域は一つだけ。「オンラインにしたことで、四つの地域全てと交われたのは大きなメリットでした」と金口副学長は振り返る。
名古屋外国語大に2019年に開設された「世界教養学部」では、「英語と複数言語を駆使できる教養人の育成」を目指し、ドイツ語、イタリア語、アラビア語などの外国語科目や人文系科目を充実させた。
学部名は、ロシア文学者でもある亀山郁夫学長が、前任校である東京外国語大で「世界教養プログラム」という教養教育カリキュラムを設けた経験に由来する。
「グローバル」ではなく「世界」を学部名に採用した理由を、亀山学長は「『グローバル』という言葉に含まれる英語中心のニュアンスを排除したかった」と話し、「外語大学として英語以外の言語も学びながら、各地域に固有の政治・歴史・宗教について理解を深めることを学びのアイデンティティーとしている」と続ける。
情報系の分野でここ数年、熱い注目を集めるのが統計やプログラミング、経営などさまざまな分野の知識を用いてデータを分析するデータサイエンスだ。文系・理系双方の知見が必要となることから、データサイエンス学部を設置する大学の多くが文理融合型のカリキュラムを掲げている。
17年、国内で最も早くデータサイエンス学部を設けた滋賀大では、情報学や統計学を軸とし、教養科目やビジネス分野の第一線で活躍する専門家を講義に招く。
19年には、同じく全国初となる大学院のコース(データサイエンス研究科)も開設した。
「昨年は学部1期生の約2割に当たる20人が大学院に進学しました。実務経験を持ち、企業から派遣された社会人も同じくらいいます。異なる背景を持つ人々がつながって新たな発想を生み出す『オープンイノベーション』の場となっています」(共通事務部担当者)
◆カタカナ学部名、宣伝効果ある?
立正大も21年にデータサイエンス学部を設けた。データサイエンス分野を実社会に応用するための教育や研究に重きを置き、統計分野のみならずビジネスや社会、観光、スポーツ分野に関する授業をそろえている。