受験生の減少が進む中、全国の大学で学部の新設が相次いでいる。「グローバル・リベラルアーツ」「データサイエンス」「社会共創」など、これまであまりなかった名称のところも多い。どんなことが学べるのか、調べてみた。
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いきなりだが、いま日本の大学には、いくつの学部があるかご存じだろうか。文部科学省によれば、昨年時点で国公立と私立を合わせて803の大学があり、学生が在籍する学部数を個別に数えると合計は2627にのぼる。
多いと感じるかもしれない。これは毎年、数十単位で新たな学部が誕生していることと関わりがある。この10年以内にできた学部を見てみると、特に増えているのが「国際」「情報」「地域」の3領域。中には、新設の学部ならではのユニークな名称を持つところもある。
国際系では、「グローバル」を学部名に冠するところが多い。特に目立つのが「グローバル・コミュニケーション」で、東洋学園大、神戸学院大、桜美林大、愛知淑徳大などがある。いずれも、語学に限らず留学や企業インターンシップなどを在学中に経験し、「コミュニケーションスキル」の向上をはかることを特色としている。
昨年、神田外語大にはグローバル・リベラルアーツ学部が開設された。学部名には、グローバルな視点と歴史・宗教・環境などの教養を持ち、地球規模の問題解決に当たる人材を育てる、との狙いを込めたという。
金口恭久副学長は、「グローバル系の学部が増えているということは、いまの高校生や保護者の方々にそうした分野が求められていることの表れ。他大学の取り組みも意識し、参考にしています」と話す。
入学した後の半年間を、将来について考える「グローバル・チャレンジ・ターム」としている。柱となるのがリトアニア、インド、マレーシア・ボルネオ、イスラエルの四つから一つを選び、現地に赴く「海外スタディ・ツアー」だ。
コロナ禍の昨年はさすがに現地入りは難しく、大学が福島県白河市に持つ研修施設に泊まり込み、現地の人々とオンラインで交流した。