広畑は即戦力という意味では全体でもナンバーワンと言える右腕。都市対抗予選の初戦で打ち込まれたことが響いて3位という順位となったが、代表決定戦では先発、本選ではリリーフでしっかり結果を残した。キャンプでもまだ実戦登板こそないものの、フリー打撃などでは順調な投球を見せている。まずはリリーフでのスタートとなりそうだが、制球力が高く、短いイニングでも最初から安定したボールを投げられるのは大きな魅力だ。石森はコンスタントに150キロを超えるスピードが武器の本格派サウスポー。昨年の九州アジアリーグでは36回1/3を投げて63奪三振を記録し、ソフトバンクの三軍を相手にも圧倒的な投球を見せている。チームは又吉克樹が移籍し、人的補償で加入した岩嵜翔も首の張りを訴えて出遅れているだけに、石森にもセットアッパー定着のチャンスは十分にありそうだ。
投手でもう1人、ダークホースとなりそうなのが赤星優志(巨人3位)だ。日本大では東都二部でのプレーが多かったが、一部に昇格した4年秋にもいきなり連続完封するなど実力は申し分ない。特に制球力の高さはプロでも上位に入るレベルであり、ピンチでギアを上げられるのも大きな特長だ。初の対外試合となった15日の日本ハム戦では2回を投げて2点を失ったものの、3三振を奪い持ち味は十分に見せている。ここからさらに武器である緻密さを増していけば、早くから一軍の戦力となる可能性もありそうだ。
一方の野手では安田悠馬(楽天2位)、福永奨(オリックス3位)、古賀悠斗(西武3位)の大学生捕手3人がアピールを続けている。安田は持ち味である豪快なスイングで早くから首脳陣の目に留まり、13日の日本ハムとの練習試合では左中間へのツーベースを放っている。守備が魅力の福永は紅白戦で2試合連続の盗塁阻止を記録するなど早くもその強肩ぶりを披露。古賀も実戦形式のシートノックで度々走者を刺すなどアピールを続けている。捕手は一番アマチュア選手が苦労するポジションだが、安田は長打力、福永と古賀は強肩という分かりやすい武器があるだけに、今後も抜擢のチャンスはありそうだ。