■明るく「さみしい!」

 確かに「おじ友問題」の記事にも、「余計なお世話だ」「放っておけ」的なコメントは少なくない。「そんなプライドの高さも友達作りを難しくする原因では……」と岡本さんと意見が一致したところで、「おじ友問題」の記事に登場してくれた40代の会社員氏にも聞いてみた。

 ちなみに会社員氏は、会社での話し相手や友人はいるものの、新しい友人ができないことで不安がジワジワ。気の合いそうな人に出会っても、飲み屋でメアドの交換などはさすがに恥ずかしく、「めんどうだから、もういいや」となるのが日常らしい。

「コメントをおそるおそる読みましたが、僕の印象では“友達いないおじさん”への共感の声が大多数。将来、独身がメジャー勢力になるというニュースも、友達を作りやすくなるいいニュースに思えてきました」

 きみまろさんも触れられないような、オールドエコノミーの「放っておけ」おじさんと比べると、素直だし、前向きだし。「僕もさみしいんですけどね!」と明るく語れる、おじさん界のZ世代の感もある。聞けば会社員氏にとって、友達の存在が微妙に変わったのは、初期のSNS「ミクシィ」が登場して、マイミクなる新しいタイプの友達が出てきてから。友達の数が数字で可視化されたことで、それまで普通にやっていた友達作りが、あれこれ考えすぎて難しくなったという。

「例えば……ですが、友達申請して、相手は迷惑じゃないかな(笑)と考えたり。こうしてSNSに若くして触れた世代と、それ以前の世代では、友達の意味からして違う気がします」

 世代交代が進む独身おじさん界の「友達いない問題」。流行語大賞を狙うなら、今年がワンチャンか。(ライター・福光恵)

AERA 2022年8月8日号

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