ネットを席巻した「独身おじさん友達いない」問題。明るく「友達がいないんですよ」と語るおじさんの話を聞くと、おじさん界のZな事情が見えてきた。AERA 2022年8月8日号から。
【データ】年齢によってまったく違う「孤独感」、1位となった年代は?
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「会社以外の知り合いがまったくいなくて、危機感。どうやって友達を作ればいいのか」。そんな自称「おっさん」からの悩み相談が、ライターのヨッピーさんのLINEに寄せられたのは、6月のこと。これを紹介したヨッピーさんのツイッターをきっかけに、専門家らに聞いたAERA dot.の記事が、大変なことになった。その名も「『独身おじさん友達いない』問題が意外に深刻」(7月5日配信)。
公開後まもなく各種コメントが殺到。またテレビや他媒体も後追いして、「独身おじさん友達いない問題」(以下、おじ友問題)というワードが、ネットを席巻した。
■「いじられる」に違和感
この記事のライターを担当し、怖くてコメントが読めなかった自分のもとにも、友人知人からの感想メッセージがいっぱい届いた。例えば40代の独身女性さんからのお便り。
「新しい友達が作れない不安に40歳で気がついたという独身男性会社員の話があったけど、遅すぎます。私なんて子どものころから思ってました」
など何十年も前から「おひとりさま」文化を育んできた独身女性からは特に、「もっとしっかり!」的な意見も多かった。
一方、この記事が盛り上がった理由を、「中高年男性たちの琴線に触れてしまったから」と分析するのは、コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんだ。『世界一孤独な日本のオジサン』の著書もある。
「日本では、孤独をカッコいいものと捉える人がいる一方、世界では孤独は現代病と考えられることが多い。本来は、そこに警鐘を鳴らしたいと考えて出した本だったのですが……」
そう話す岡本さんの本が出版されたとたん、「余計なお世話だ」「放っておいてくれ」というコメントが殺到したという。
「先日、綾小路きみまろさんのライブに行ったときにも思ったのですが、彼の話のネタになるのは女性がほとんど。競争社会で生き延びてきた中高年男性は、いじられることに違和感を覚えやすいのではないか」