※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 体形や体重にこだわり、極端な食事制限や過食嘔吐など食行動異常を中心にさまざまな問題を引き起こす摂食障害。患者は9割以上が女性で10~30代に多く、思春期に発症しやすい。死亡率が高く、複雑な病態ゆえに、専門的な治療が必要だ。

【一覧】拒食症になるとあらわれる身体症状と活動制限の目安

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 摂食障害の人は体重が増えるのを恐れ、治療を渋ることが少なくない。国立国際医療研究センター国府台病院の河合啓介医師はこう話す。

「患者さんは医師が『自分が望まないこと(=治療)をする敵』に見えてしまうことがあり、治療のための協力関係を結べないことがあります。丁寧に信頼関係を築き、『困難な状況を乗り切るための味方』と受け入れてもらうことが不可欠です」

 摂食障害は、心の不調が異常な食行動という症状となってからだに表れる心身症の一つ。そのため身体面と精神面の治療が必要になる。

 やせをともなう拒食症では、低体重の治療を先行させる。栄養失調によるからだへのダメージが大きく、命にかかわることも少なくないからだ。日本摂食障害協会理事長の鈴木眞理医師は言う。

「体重が標準体重の65%を切ると筋肉が急に落ちて免疫力が低下し、不眠や異常に頑固になるといった飢餓による精神症状が悪化します。55%未満になったときや、立てない、ぼーっとしている、検査で低血糖などの重い合併症が判明した場合は、緊急入院が必要です」

■早期の身体的治療で後遺症を未然に防ぐ

 体重を回復させるには、十分な栄養をとるしか方法がない。口から摂取できない場合は、鼻から胃にチューブを入れて栄養剤を投与する経鼻経管栄養など適切な栄養療法をおこない、合併症には必要に応じて薬を投与する。

「栄養失調による症状のほとんどは、体重が増えれば改善します。しかし成長期に低栄養状態が長引くと、本来の身長まで伸びなかったり、骨粗鬆症になりやすいなど、後遺症が残ることがある。できるだけ早く治療を始めることは、後遺症を未然に防ぐ役割もあるのです」(鈴木医師)

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